「魔法少女まどか☆マギカ(まどマギ)」の外伝作品「魔法少女たるとマギカ」のあらすじを紹介しています。作品を知るための参考や、マギレコのタルトイベントをより楽しむ際の参考にしてください!
※この記事は物語のネタバレ要素を多く含んでおります。
ネタバレが嫌いな方はご注意ください。
7/12〜7/26開催 | |
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常夜の国の叛乱者攻略まとめ | |
▶︎エリザの評価 | ▶︎コルボーの評価 |
▶︎エリザ・コルボーPUは引くべき? | ▶︎メリッサの評価【祝・星5覚醒】 |
▶︎ガチャシミュレーター | ▶︎メダルの集め方 |
魔法少女たるとマギカについて
たるとマギカとは?
まどマギのスピンオフ作品!
枡狐/蛙空による魔法少女まどか☆マギカシリーズの外伝作品で単行本は全5巻。
実在する歴史上の人物・「ジャンヌ・ダルク」が魔法少女であったという設定を基に物語が展開される。そのため主要人物も、フランスの百年戦争(15世紀頃)に、実際に存在した人物や関係者で構成されている。
まどマギのアニメ12話にも登場!
百年戦争においてフランス軍を導いた、英雄ジャンヌ・ダルク(タルト)が火刑に処せられる直前の様子がアニメ12話に一瞬だけ登場している。タイトルにもなっている「タルト」の名の由来は、彼女のフルネーム「Jehanne Tart(ジャンヌ・タート)」の響きからキュゥべぇによってつけられた愛称である。
たるとマギカの主な登場人物
フランス側 | |
タルト | 『フランスに光をもたらす力』を願い魔法少女になった。強力な魔力、破格の攻撃力と防御力を誇る。 |
リズ | 歴戦の魔法少女。影を利用した魔術を得意とする。4本のクナイを武器とし、長剣や鞭、鎌など様々な形状に変化させることができる。 |
メリッサ | おっとりした優しい性格の少女。魔法少女になった後は巨大なポールウェポンを軽々と振り回し戦う。普段着のメイド調の服は父親ラ・イルのお手製。 |
エリザ | ドラゴン騎士団に所属し、ヨーロッパ中を日々馳け回る少女。斧や突剣が一体化した5連結の銃器を武器とし、高い戦闘能力を誇る。 |
イングランド側 | |
コルボー | 姉妹のことを常に大切に思っている3姉妹の次女。正面切っての戦闘は3姉妹の中で最も適しており、全ての魔力消費を他の魔法少女に押し付けることができる。 |
ミヌゥ | 猫の仮面を被る3姉妹の末っ子。戦闘は基本的に部下に任せるタイプ。仲間であろうと駒や盾にできる冷酷な性格の持ち主。他人の魔力を強制的に枯渇させる力を持つ。 |
ラピヌ | 無邪気さと冷徹さを兼ね備える3姉妹の長女。魔法少女と魔女の行き来ができる。魔女時の能力として魔法少女の変身を強制的に解くこと、あらゆる武器(物体)を引き寄せることができる。 |
イザボー | フランスの歴史上において、最も悪名高き女性である。3姉妹の母であり本作の黒幕。 |
その他 | |
キューブ | 魔法少女を契約する存在。本作では、「キューブ」と呼ばれている。 |
ペレネル | 魔法少女であり、錬金術師でもあるという女性。 |
魔法少女たるとマギカのあらすじ
彼女はひとりぼっちだ
まるで人々の恐れの念が
炎の環となって彼女を包んでいるかのように
しかし誰が信じるだろう
彼女はやはりただの少女なのだ−
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1431年5月30日、後にジャンヌ・ダルクと呼ばれる少女・タルトがルーアン市内ヴィエ・マルシェ広場で火刑に処せられる描写から物語は幕をあける。
西暦1429年、フランスは百年戦争のただ中にあった。
フランスの王位継承を狙うイングランドとの対立を機に、永く続くこの戦争。正当な王位継承者であるはずの王太子シャルル率いるフランス軍と、それに対抗するイングランド軍。
身内であるはずだったフランスの王族・ブルゴーニュ公が裏切り、イングランド軍と手を結んだことで、フランス側は徐々に力を失い、フランスの半分がイングランド及びブルゴーニュ公のものとなっていた。そうしてフランス軍はさらなる窮地へと追い詰められつつあった―
パリ近郊で野営を行っていたタルト(フランス軍)。
イングランド軍が占拠している砦からの攻撃が再開され、その中に「魔女」に与する者がいるとの報告が入る。
「さぁいきましょう。 フランスに光をもたらすために。」 |
タルト、リズ、メリッサ、エリザとフランス軍一向はイングランド軍(魔女)が守る砦に向かうのだった。
フランス軍は、圧倒的不利な戦況に置かれておきながら、その後、一人の少女によって僅か4カ月のうちにこの戦況を変えることになる。人々は彼女のことをこう呼んだ―
「―乙女(ラピュセル)ジャンヌ―と」
「随分と立派になったものさ、君をタルトと呼ぶようになったあの時と比べたらまるで大違いだよ」 |
タルトたちの前に「キューブ(キュウベエ)」が現れる。
自分たちが出会った頃のことを覚えているかと問うキューブ。
そこからタルトとキューブ、そしてリズの出会いの物語が描かれる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『乙女』『聖女』と讃えられし少女がいた—
しかし『乙女』『聖女』と讃えられた少女は、
後に『異端』『魔女』の名を背負うことになる
1425年、フランス ドンレミ
この小さな村より少女の物語は始まる。
タルト(この当時はジャネットの愛称)は、妹・カトリーヌとドンレミ村にある教会でいつものように礼拝をしていた。そこで2人にしか見えない不思議な光を目撃し、追っていくうちに魔女の結界に迷い込んでしまう。
結界内で正気を失った兵士たちがタルトたちに襲いかかるも、突如現れた少女によって命を取り留める。瞬く間に兵士たちと結界内に潜む魔女を倒し、この時2人を助けたのが、リズとキューブであった。
「私たちはあなたを探していたのよ」 |
驚くタルトにキューブは名前を尋ねた。
そこで書いたフルネーム「Jehanne Tart(ジャンヌ・タート)」を見たキューブは、名前の響きから彼女を「タルト」の愛称で呼ぶようになる。
「タルト、君に僕と契約して、魔法少女になって欲しいんだ。」 |
リズと同じように魔女と戦う使命を全うする代わりに、どんな願いでも叶えることができるとタルトに持ちかけるキューブ。
「それは…できません。」
自身の願いは家族や村の災いが起きないこと、そしてキューブ・リズに助けられたことで奇跡はすでに起き、願いは叶っていると言う理由で契約を断った。
一度キューブの勧誘を断るタルトであったが、その後タルトを動かす大きな出来事が起こる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
魔女(兵士)から姉妹を救った力が評され、村の用心棒を引き受けることになったリズ。
背景にはタルトに魔法少女になってもらいたいが為のキューブの思惑もあったが、奇跡的にも平穏といっていい時間が過ぎていった。
そして三年の時が経った、1428年。
キューブたちは、未だ「願い」が見つからないタルトに対し、そろそろ村を発つ予定であることを告げる。
そんな中、小隊の護衛の仕事が入り、リズが村をあけることになった。
奇跡は決して永く続くことはない
大きな運命を背負う者には必ず大きな流転が訪れる
リズの留守中を狙い、野党たちが村を襲いに来たのだ。
野党に立ち向かうタルト、しかし倒れたタルトを庇った妹・カトリーヌは無残に殺されてしまう。
ついさっきまで続いていた平穏が簡単に崩れる。
大切な妹の死、村の悲惨な状況を目の当たりにしたタルトはキューブに助けを求めた。
自分が魔法少女になることで、妹と村を元に戻すことはできないかと。
その問いかけに、生き返らせることも、元に戻すことも、どんな願いも叶えることができるが、安全な場所がない今のフランスでは、同じような悲劇が2度と起こらない保証はない。この国は、決して晴れることの無い闇の中にいるのだと告げる。
同じような悲劇をもう誰にも合わせたくない、
タルトは魔法少女になることを決意し願う。
「フランスに光をもたらす力を!」 |
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ドンレミを襲った悲劇の年は明け、タルトとリズは協力を仰ぐため北の砦に向かった。
砦についてすぐに感じ取った僅かな魔力を頼りに、砦に住まう魔女を倒し、城主を救ったタルトたちは無事城主の協力を得られるようになる。
魔女との戦闘後、タルトのソウルジェムの濁りの早さに気付いたリズはキューブに説明を仰いだ。
理由としては、一撃の破壊力が凄まじい分、その代償で魔力消費も大きいというものだった。
タルトの行動全てが結果へと繋がっていく、タルトの宿す因果は予想以上に強力で、それが膨大な魔力の源となっていたのだ。
そして魔力が枯渇した魔法少女は魔女となってしまう真実をタルトはそこで初めて知るのであった。
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1429年2月12日 オルレアン近郊
フランス軍はイングランド軍の倍以上、4千人以上の大部隊で強襲作戦を試みたが、魔女と呼ばれるたった3人の魔法少女によって敗戦に追い込まれていた。その戦いで辛うじて生き残った通称「憤怒」の異名を持つラ・イル(メリッサの父)と司令官は、オルレアンが落とされるのも時間の問題と悟ったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その頃ー
砦を救い、城主たちを助けたドンレミの乙女の噂は瞬く間に広がり、市内でタルトは注目の的となっていた。
フランス軍がオルレアンで大打撃を被ったとの情報を城主から得るタルトとリズ。オルレアンの危険的状況を救うため、王太子シャルルが宮廷を構えるシノンへと旅立った。
シノン城宮廷
玉座の間では王太子シャルルが催しを開いており、メリッサやラ・イル、家臣ジル・ド・レェをはじめ多くの人々が集まっていた。シャルルは、『乙女』や『神の使い』と噂される少女がここへやってることを皆に伝えると、その噂を確かめるべく、「一つ戯れ」をしたいと語る。
その戯れとは、玉座にジル・ド・レェを座らせ、偽物であることを見抜けるかというものだった。
玉座の間に迎え入れられたタルトは、偽物の王太子を即座に見抜き、本物のシャルル王太子の前に跪いて見せたのである。
タルトの神の力を目の当たりにし、覚悟を受け取った王太子はタルトを『真の乙女』とし、希望を託すことになった。
王太子への謁見後、タルトは神学者や協会関係者による三週間にも及ぶ審理を受けることになった。その審理の結果、悪しきものは見当たらず、それどころか謙虚、純潔、献身、誠実、素朴といった、良きもののみを持ち合わせていると証明されたのである。
王太子に加え、神学者たちによって、真の『乙女』『神の使い』であることを追認され、更なる名声の高まりを得たタルトを旗頭に、集められた兵はこれまでとは比べ物にならない数となっていた
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タルトとリズ、ラ・イルらフランス軍はジル・ド・レェの指揮の元、オルレアン解放への進軍を開始する。
そのオルレアン解放作戦にメリッサが従者として同行することとなった。
互いの話をし仲を深めるタルトとメリッサ。
途中休憩のために立ち寄った村は魔女に襲われ酷い惨状となっていた。
タルトとリズは魔力の気配を感じた方角へ向かう。
待機するよう命じられたメリッサの前に突如キューブが現れる。通常は見えないキューブの姿をメリッサは見ることができたのだ。
「僕は、タルトに天使と呼ばれ力を与えた者さ、君に奇跡を見せてあげるよ」
キューブに付いていったメリッサはそこで、魔法少女の戦いを目撃する。
そしてメリッサにもタルトたちのような才能があるとキューブは告げた。
そんな魔女との戦いの最中、タルトとリズの前に突如魔法少女・ペレネル(この時点では名乗っていない)が現れる。
ペレネルは、魔女に襲われた村の状況を利用しタルトの力量を見定めようとしていただけでなく、リズが隠している過去も知っているようだった。
自身はあくまで、同じ意思を持ち、同一の敵を持つことを告げると、
タルトに「クロヴィスの剣」を授けるペレネル。
「あなたが今から向かうオルレアン。そしてその先に立ちはだかる者たち…あなたはそれを打ち払っていく運命になる。しかしそれはあまりにも険しい道のり…どうかその道程に幸あらんことを…」 |
そう言葉を残すと、姿を消してしまった。
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オルレアン奪還作戦は順調に進み、立て続けに砦の奪還に成功していた。
砦の奪還に成功した晩、野営の中で休んでいたタルトの元に、メリッサがやってくる。
自分も魔法少女になれば、もっとみんなの役に立てるだろうと、悩んでいることを打ち明ける。
しかしタルト(ワインを飲んで酔い気味)は、危険な目には合わせられないと泣きつき反対したのだった。
その翌日、砦ではコルボーがフランス軍を待ち伏せていた。
コルボーは自らの名を告げると、タルトたちに襲い掛かかる。
コルボーとの戦闘中、リズはある違和感に気付く。
魔力を気にせず使いまくるコルボー、しかし何故か自身(リズ)のソウルジェムのみが濁っていく。
コルボーは、自分の魔力の全てを周囲に押し付けることができる魔法を持っていた。
自分のソウルジェムはただの一度もほんのわずかでさえ濁ったことはないというのだ。
一方のタルトは、コルボーが連れてきた魔法少女と戦っていた。
タルトを庇い返討ちにあったラ・イル、そして父を助けようとするメリッサを守るためタルトが2人の壁となり倒れてしまう。
魔力が減り身動きができないリズ。
絶体絶命の危機に、一筋の光が立ち込める
「たとえ…この先に、どんな運命が待っていようとも…私も魔法少女として戦います」 |
魔法少女・メリッサがそこに誕生した。
先ほどまで負っていた傷が回復するタルトやラ・イルたち。
それはメリッサの願いによるものだった。
自分の大切な人たちに傷を負わせたコルボーに対し、怒りをぶつけるメリッサ。
巨大なポールウェポンを武器に、コルボーを圧倒していく。
その戦闘の最中、コルボーはタルトの近くにいたキューブの姿に気付くも、それが何者なのか分からない様子であった。
魔法少女でありながらキューブのことを知らないコルボーを不思議に思うリズ。
死の運命を捻じ曲げ、さらに強力な因果を背負ったことで増幅したタルトの魔力はより強力になっていた。
その力に触れ初めてジェムを穢されたことに、快楽さえ感じたコルボーは奥の手を出そうとするが、そこにミヌゥが現れる。
ミヌゥは、魔法少女から孵化した魔女を残し、コルボーを連れて去ってしまった。
タルトが魔女を両断した時、
自分以外にも魔女を攻撃をした存在がいたことに気付く。
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1429年5月8日
ついに形勢を逆転させたフランス軍と劣勢に落ちたイングランド軍は、互いに総力を結集し、正面より対峙していた
イングランドは『乙女』に対抗する戦力がないこと、
今日が安息日であることも引き合いに出し、負けを認めて休戦を申し出てくるのであった。
これにより、オルレアンの解放は実現し、フランス軍の勝利が決まった。
こうして7ヶ月に及びイングランド軍に包囲されたオルレアンは『乙女』到着後、わずか一週間の先頭で解放された。歓喜に沸く人々の中心にはこの奇跡の解放をもたらした少女の姿があった―。そしてその名声はフランス中への希望の光として伝わっていく
オルレアン解放の翌日、まだ歓喜も冷めやらぬ中で、
タルトたちはオルレアンを出発し、王太子シャルルの元へと向かった
オルレアンでのことを報告しようとしていたタルトであったが、
到着した時にはすでに、ドラゴン騎士団のひとり、エリザ・ツェリスカから報告を受けた後だった。
その場で紹介に預かった彼女は、
オルレアンでの魔女との戦いの際、狙撃でタルトを手助けしたのも自分であると告げるのであった。
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1429年6月18日
タルトたちはイングランド側の3人の魔法少女たちとついに対峙することになった。
まず先陣を切ったのは、3姉妹の長女・ラピヌだった。
タルトたちに向かい一人で飛びかかるラピヌであったが、4人の連携で返り討ちにされ瀕死のラピヌは魔女化してしまう。
魔女は能力により、リズとメリッサの武器だけでなく周囲の武器を自身へと引き寄せていく。
集まった武器は一つの巨剣に形を変えると、一向に襲いかかった。
タルトの力で見事その攻撃を回避した後は、武器を奪われなかったエリザを中心に魔女に猛攻を重ねる。しかしここで目を疑う出来事が発生する。先ほど魔女化したラピヌが魔法少女の姿に戻ったのだ。ありえない光景に混乱するリズたち。
気を失う姉・ラピヌを妹・ミヌゥに託し、
コルボーは一人でタルトたちの前に立ちはだかった。
不気味な笑みを浮かべるコルボーは、「死の舞踊」と呼ばれる魔法を発動した。
広範囲に黒い羽根が降り注ぐ。
その羽根に当られた人々は次々に苦しみ出し、地面に蹲ってしまう。
リズはこれが「黒死病(手足の壊死や体中に出血斑を引き起こし全身が黒いアザまみれとなって死亡する伝染病)」であると理解する。
羽根に触れ意識を保つのがやっとな状態のタルトたち。
敵味方構わず蹂躙していくコルボーに怒りをぶつけるタルト。
「許さないー私はただこの国を救おうとしただけでした。だからその前に立ちはだかるあなたたちを敵だと憎んだりしなかった…でも全てを壊そうとするあなたたちをもう許すことはできない。私は全てを救ってみせる!」
タルトはコルボーの魔法をかき消し「黒死病」を浄化していく。
奇跡の力を目の当たりにし、その力の前に膝まずくコルボー。
その前にラピヌと避難した妹・ミヌゥが戻ってくる。助けにきてくれたことに感謝するコルボーだったが、予想とは裏腹、ミヌゥによってソウルジェムを砕かれてしまう。愚かな姉と愚弄すると、ミヌゥはコルボーの遺体とともにタルトたちの前から消え去ってしまった。
3姉妹は退き、フランスの勝利によってこの戦いは終結した。
そんな時タルトに「クロヴィスの剣」を授けたあの魔法少女が現れる。
彼女は、自分を魔法少女であり、錬金術士でもある「ペレネル・フラメル」と名乗った。今回の魔女との戦いで、奪われなかったタルトとエリザの武器は、ペレネルが魔術的な細工を施したことが幸いとなっていたことを明かす。そしてペネレルは古くからのフランスの民衆の間で囁かれている予言を語る。
『フランスはひとりの女によって滅び、ひとりの少女によって救われる』
『乙女』の存在によってまさに予言は成就されようとしており、この大きな運命の因果の流れの中心はタルトであることを告げると、彼女は立ち去った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1429年 7月17日
シャルル王太子の戴冠式は行われ、歓声が響くなか、シャルル7世王が誕生した。
その夜ー
即位したシャルルやタルトを祝い一同に会していると、突如城の中の灯りが消え、悲鳴が上がり始めた。炎につつまれたその奥から現れたのは、王権をイングランドに売り渡しフランスを滅ぼそうとした女、そしてシャルルの母親である・売国妃・イザボーが不気味な笑みを浮かべ現れる。
恐怖するシャルル。
「あの女を、母を殺してくれ!」
シャルルの一言を合図にイザボーに襲いかかるタルト。しかしタルトたちの攻撃は全く通用しなかった。
「一年の後、『乙女』に死を賜わさんことを」 |
命乞いをするシャルルに、ミヌゥはその言葉を残し、イザホーを連れてその場から消え去った。
『乙女』であってもイザボーに傷一つ負わせることができなかったことに、シャルルは乱心し憔悴してしまっていた。
キューブは、イザボーがフランス全土にグリーフシードをばら撒き、孵化させようとしていること、そしてそれは今に始まったことではなく、かつてタルトたちが戦った魔女もイザホーの影響であったことをタルトたちに告げる。フランス各地の魔女、そしてイングランド軍と戦いイザボーの企みを阻止すべきであると続けた。
それからおよそ8ヵ月の間、タルトたちは半ば独断でフランス各地を転戦していくことになる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そしてタルトたちは、フランス北部の都市でミヌゥと対峙することになる。
ミヌゥは告げる、あの時告げた刻限である―と。
彼女が操る大勢の魔法少女はタルトたちを囲むと、ミヌゥは彼女たちを一斉に魔女化させた。魔力の消費が狙いと気付いたリズは、タルトに大技は控えるよう促す。そこへ、コルボーの仇討にと参戦するラピヌ。ミヌゥに唆され、コルボーを殺したのは、タルトたちと刷り込まれていた。怒り狂うラピヌの攻撃を一人で受けるリズ。
そんな中メリッサとエリザは、ミヌゥによって別の場所へ飛ばされてしまう。
一方、取り残されたタルトとリズも魔女化しても元の姿に戻るだけで倒すことはできないラピヌに追い込まれていた。
「大丈夫私が守ってみせる」
リズのその言葉にタルトは、2人で旅をしていた時のことを思い出す。
「いつも私のそばにいて…守ってくれてありがとうー」
危機的状況でありながらも二人の絆は強くあり続ける
「私たちは最後まで諦めない!」
タルトを絶対に絶望させまいと決心するリズ。
「タルトは私の、私たちの希望の光ー私はその光に寄り添う影。たとえ影が滅びようとも光は決して消えさせない!!」
リズは、最期の攻撃を仕掛けようとしていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リズはこれまで「希望の光」を求め、何人もの魔法少女とともに戦ってきた。
タルトは旅路の果てにようやく出会えた「希望の光ー」
リズは自身の影の能力でタルトを縛り付けると「地獄の門」を魔法で召喚した。
その門から無数に伸びる黒い腕は、周囲の魔女やミヌゥを掴み、門の中へ誘おうとする。
自らを犠牲にして、ミヌゥを影の牢獄へ続くこの門に永遠に閉じ込めようとしていた。
困惑し、必死に呼び止めるタルト。
決意を固めたリズは優しく微笑む。
「泣かないで、タルト― これからも私の魂はあなたとあり続ける」 |
そしてリズはミヌゥを連れ門の中に消えてしまった。リズを失った悲しみで失意の底に陥るタルト。
ミヌゥが封印されたことで魔女の結界が消えると、タルトはそこに居合わせたイングランド軍の兵たちに取り囲まれて捕虜となってしまう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
乙女がイングランドの捕虜となった。
この衝撃的な報らせはたちまちにフランス中へと広まった。通常であれば、捕虜となった重要な人物に対しては身代金を支払い、解放を要求するのが当然であり、それがこの時代の常識でもあった。戴冠後『乙女』たちに対し、冷淡な態度を見せいていたシャルル王であったが、さすがに今回の件に関しては、当然身代金の支払いを行うものだと思われていた。―しかし、なぜかシャルル王から身代金の申し出が行われることはなく、『乙女』の身柄はイングランド本国へ売り払われることが早急に決まったのであった。
タルトのおかげで王となれたにも関わらず、一件を見過ごしたシャルル。
イザボーへの恐怖から間違った決断を下したのではないかと後悔するも、イングランド側と繋がっていた侍従長に説得され、事態はミヌゥの思惑通りに進んでいくのであった。
その頃、捕虜となったタルトは、イザボー達の企みによって魔女裁判にかけられていた。
リズを失い絶望の淵にいるタルト。
そんなタルトの前にキューブが現れる。
「どうやら彼女の願いはムダになったようだね」
そこでタルトは初めてリズの願いを知ることになる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リズは裏切りの英雄の孫としてイタリアに生を受けた。
英雄の名はジョン・ホークウッド。傭兵として「白の団」という隊を率い、様々な雇い主の間を渡り続け、報酬さえ釣り合えば時には元の雇い主でさえ滅ぼしてしまうような男であった。そのホークウッドに自分の娘を妻として与えてまで「白の団」を召し抱えていたヴィスコンティ家も、後に裏切ったホークウッドの手によって完膚なきまでに敗北させられている。
そんな男の孫としてヴィスコンティ家に生まれたリズは、
幼い頃からどんな思いを抱いていただろうか―
彼女が魔法少女になる対価として願ったものはこうだった。
「自らの手で真の英雄を誕生させる」
そうしてリズと共に旅をすることになったキューブ。
旅の途中で数々の才能ある少女との出会いもあったが、真の英雄になることは決してなかった。
そんな失望の先に出会ったのがタルトでだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
タルトの力を不自然にまで増強していったその背景には、
リズの願いによる力もあったのだ。
倒すべき相手・イザボーは姿を現しただけで全てを絶望へと塗り替える。
キューブにとっても不幸な存在であるイザボー。
王に見捨てられ、リズを亡くし、囚われの身となったタルト。
それでもまだ君は何かを見せてくれるのかーとキューブは問う。
そこへ、イザボーと共にミヌゥが現れる。
貶められ、汚されていく乙女の姿に愉悦を感じるミヌゥ。
するとその時、ラ・イルらかつて共に戦った仲間たちが独断でタルトを助けにやってきたのである。
ミヌゥたちが外の兵の対処に向かうと、タルトの元にメリッサ、エリザ、ペルネルが現れるも、タルトは自分ために命を落として欲しくないと、外の兵を退かせ、立ち去るようにと告げる。
そんなタルトにエリザは自身の生い立ちを話し、タルトを諭すのであった。
仲間達のタルトへの思いに感化されたタルトは再び立ち上がるのであった。
「リズ…私は行きます
この国にー世界に光をもたらすために」
そしてイザボー達との最終決戦。
しかし相変わらずタルト達の力はイザボーには通用しない。
これは魔力や実力差ではなく、だれかの願いによるものであると告げるキューブ。
彼女を倒すにはその秘密をとく必要があると続けた。
「彼女は魔法少女であり、魔女であり、僕なんだ」
キューブはイザボーが魔法少女になった経緯を語り始める。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1385年、わずか14歳にして婚礼のためにフランスにやってきたイザボーは、類まれな才能を持つ少女であった。契約を勧めるキューブに対しに望みを尋ねられたイザボーは思いがけないことを願ったのであった。
「私の願いは『あなたの全てが欲しい』」
こうしてイザボーは「キューブ」そのものとなった。
自ら魔法少女を生み出し続け、フランスが崩壊するほどの権勢を得ていった。次に自らの強力な因果を引き継ごうとしていた自分の娘たちを魔法少女にしようと企んでいたが、決定的な運命の変化を迎えることとなる―
肉体は「キューブ」そのものであるため、不滅であっても、魔法少女である以上、精神はソウルジェムそのものであり、決してそのシステムから逃れることができなかったのである。魔女化する母の手にかかる直前、娘・ラピヌの願いによって、イザボーの抜け殻は不完全な形で叶えてしまうのであった。
「『お母様』をもとに戻して!!」 |
そして、残滓ともいえるイザボーの意志は、不滅の肉体では無く、魔女そのものに定着することとなったのである。
真の姿を現したイザボー。
その魔女は生まれた瞬間にフランス全域を自身の結界内に取り込んだ規格外の魔女だった。
圧倒的な力に何もできない一向。
しかしタルトは諦めなかった。
するとタルトの影に、リズのソウルジェムが現れ、魂が流れ込む。
リズの願いが叶ったときであった。
空に光が立ち込めたその瞬間、真の英雄の誕生した。
ソウルジェムはとうに限界を超え、魔女のそれでもない。
完璧なイレギュラーだと語るキューブ。
「自らの手で真の英雄を誕生させる」
リズのその願いは、魔力が底をつき、本来魔女となるはずだったタルトの運命を捻じ曲げたのである。
彼女の凄まじい攻撃はイザボーを斬り、圧制していく。
トドメの一撃を浴びせるとリズのソウルジェムは役目を果たし砕け散ったのである。
母の亡骸を前に怒り狂うミヌゥ。
しかしイザボーの力で魔法少女となったミヌゥはすでに魔法の力を失っていた。
兵士にタルトを捕まえるよう命ずるミヌゥに進んで身を捧げるタルト。
「―私を捕えなさい」
タルトの行動に困惑するメリッサやエリザ。
リズの願いにより、まだ魔女になっていないこと自体が奇跡であり、そのリズのソウルジェムが崩れ去った以上、戦いを続けなくても、そう時を待たずに魔女になってしまうことは明らかであった。そうなれば、ヨーロッパ中に降りかかる災厄の大きさは明白。最悪の未来を阻止すべく、タルトはミヌゥに自分の身を差し出したのであった。
ルーアンへ戻った『乙女』に対し、罪が言い渡される。
異端の罪を一旦悔い改めた者が、再び異端の罪を犯すこと、この「戻り異端」に対し下される罪は火刑による死刑であった。
多く者たちが、様々な思いで『乙女』の最後を受け止めようとしていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そして、1431年5月30日
人々が見守る中タルトは火刑に処されようとしていた。
メリッサとエリザが駆けつけた時には、すでに火が放たれていた。
2人は彼女を助けようとするが、タルトはこれを制止する。
「せめて人として…魔法少女として終わらせるにはこれしかないんですから」
そして人々は『乙女』の伝説の最期に祈りを捧げる―
「すべてのことに―ありがとう」 |
多くの人々が涙し、『乙女』の最期を目に焼き付けたのだった。
そのとき、一羽の白い鳩が飛び立ったのを目撃した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
彼女の最期の言葉は皆に届いていた。
タルトの祈りは絶望などではなかった―
タルトが本当に救われるのはいつになるのか…
しかしいつか必ず救われる日が来ると信じる。
「願いは届くのだから」
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