ウマ娘プリティーダービー(ウマ娘アプリ)の登場キャラクターであるマルゼンスキーの史実と活躍についてまとめています。ウマ娘たちの元ネタや史実の活躍をサクッと確認したい方は参考にご覧ください。
ウマ娘列伝 目次
ウマ娘列伝 -各世代ごとの活躍- | |
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1977世代「マルゼンスキーの軌跡」 | 1983~84世代「救世主と皇帝」 |
1987~88世代「芦毛の頂上決戦」 | 1990~93世代「世紀の対決と奇跡」 |
1994~95世代「日本を震わす衝撃」 | 1996~97世代「女傑の時代」 |
1998世代「最強世代」 | 1999~00世代「覇王と勇者」 |
ウマ娘列伝 1977世代の史実
主要ウマ娘 |
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日本競馬活性化のはじまり
1970年代は日本競馬において、交流に火を着けた時代です。
競馬の要となっているJRA(日本中央競馬会)が設立され、中央競馬・地方競馬というように区分されるようになったのは1954年からですが、70年代以前は地方と中央で交流は行われていませんでした。
地方は地方。中央は中央と各コミュニティで完結してしまっていた日本競馬は、しかし1973年10月に初めて地方競馬招待競走という交流が行われてから徐々に活気付き、埋もれていた優駿たちにもスポットライトが当てられるようになったのです。
最強と称される「マルゼンスキー」の登場
そんな激動の時代に中央競馬でデビューしたのが、アメリカからの持込馬であるマルゼンスキーです。
まだ外国血統が珍しかった当時は「持込の名血」という言葉があるほど、持込馬や外国産馬が高く評価されていましたが、マルゼンスキーはその中でも「とびっきり」と評されるほどの才覚を放っていました。
デビュー戦では10馬身差(2秒差)での勝利。条件戦でも9馬身差で連勝し、重賞である府中3歳ステークス(東京スポーツ杯3歳ステークス)でも騎手が遊んで勝ってしまうほどの実力を見せつけました。
続く朝日3歳ステークス(朝日杯FS)では初めて追い込んだ調教をした上での出走となり、結果は驚愕の13馬身差(2.2秒差)での勝利。この時に記録した1分34秒4はコースレコードで、1990年に更新されるまでの19年間不動となった記録です。
OPレースでは、マルゼンスキーが強すぎるが故に他陣営が揃って出走を回避しあわや競争不成立になりかけ、なんとか5頭立てでレースが成立。「うちの馬を出走させてやるからどうかタイムオーバーにはしないでくれ」と頼まれたことで始終抑えながら走るものの、それでも2馬身半差で勝利するという冗談のような事実もありました。
早すぎた名馬
圧倒的な強さを多くのファンたちに見せつけたマルゼンスキーは、当然ながら「東京優駿(日本ダービー)」への出走を期待されましたが……しかし、持込馬であったが故に、その期待を叶えることはできませんでした。
今でこそ国内産馬と同等の立場になっている持込馬ですが、当時は1971年に貿易自由化が施行された影響で国内産馬生産者への保護政策のために、持込馬は外国産馬と同様に八大競走への出走権を得ることができなかったのです。
マルゼンスキーの騎手である中野渡清一氏が「枠順は大外でいい。他の馬の邪魔は一切しない。賞金もいらない。この馬の能力を確かめるだけでいい」と語るほどダービーへの出走を願い、多くのファンたちからの訴えが寄せられたこともあってJRAは持込馬の出走制限緩和政策を発表。これでマルゼンスキーの勇姿を見られる……と多くのファンや関係者が安堵しました。
しかし、この発表に対して競走馬の生産者団体である日本軽種馬協会が猛反発。せっかく発表された緩和政策が全面白紙撤回され、結局マルゼンスキーの日本ダービー出走は叶わず悔し涙を飲む結果となってしまいました。
記録に残らない偉業
その後、マルゼンスキーは「残念ダービー」と称された日本短波賞に出走。その姿を見ようと当日の中山競馬場には8万人近い観衆が集まり、レースでは途中で失速しながらも前年度菊花賞勝利馬に対して7馬身差をつけて圧勝と強さを見せつけました。
続く短距離ステークスでは脚部不安を抱えながらも、レコードタイムを叩き出すほどの大差圧勝。屈腱炎を発症してしまったことでこのレースが最後となってしまいましたが、デビューから8戦8勝の無敗を達成し、2着につけた合計着差は61馬身を記録するなど競馬史に大きな名を残しての引退でした。
今でもなお日本最強競走馬と称されることがあるほどの活躍を見せた影響か、マルゼンスキーの引退後には持込馬に対する制限が徐々に緩和されていき、1984年には国内産馬と同様に八大競走への出走権を得られるようになりました。
生まれた時代がもっと遅ければ、と悔やまれることも少なくありませんでしたが、彼の活躍によって次世代のビワハヤヒデやエイシンフラッシュなどの持込馬がクラシック戦線に名を刻むことができたのもまた事実。ひとつの時代を築いた名馬として、これからも長く語られるでしょう。
「語り継ごうお前の強さを。讃えよう君の闘志を」
――1978年1月15日、引退式当日に用意された横断幕
次世代ウマ娘の史実
1983~84世代「救世主と皇帝」
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