20代から30代を中心に人気沸騰中の『異世界美少女受肉おじさんと』が連載からわずか1年半でアニメ化が決定!という事でその人気の秘密に迫るべく原作者の『津留崎優先生』『池澤真先生』、そして編集担当の『吾田慎吾さん』にインタビューをさせていただきましたので、その模様をお届けしたいと思います。
【異世界美少女受肉おじさんと】ファ美肉おじさんとは..?
Cygamesが運営する無料マンガ配信サービス『サイコミ』にて好評連載中の本作は”おっさんと元おっさん美少女による狂気のラブコメディー”という強烈な設定が話題を呼ぶ異色の異世界系ラブコメディー漫画。
異世界を舞台にした作品と言えば通常”男性主人公が1人異世界に転生し、ハーレムな展開が繰り広げられる…”というのが設定として多いですが、本作で転生するのは『おっさん』、しかも『2人』!!
おっさん2人が繰り広げる狂気のラブコメの中毒性は非常に高く、熱狂的なファンの支えもありわずか1年半というスピードでアニメ化に至りました。
そんな本作の人気の秘密に迫るべく、AppMedia編集部は原作者の『津留崎優さん』『池澤真さん』、そして編集担当の『吾田慎悟さん』へ合計1万字にものぼる大ボリュームのインタビューを敢行してきましたので、その模様をお届けしたいと思います。
【異世界美少女受肉おじさんと】インタビュー
津留崎優先生インタビュー
日本の漫画家、イラストレーター。本作では主に脚本を担当。
代表作は『SA07』『教えてFGO! 偉人と神話のぐらんどおーだー』など。
ファ美肉おじさんが生まれた経緯
異世界転生作品を手掛けようと思った経緯をお伺いさせてください。
津留崎先生—–異世界転生ものの作品って色々な設定の擬人化作品などすでに数多くの作品がある中、新しい作風を模索した時に男×男、さらには片方が女性になりつつも男を貫いていく..という展開の作品ってほとんどないな思いまして。そんなことを考えている最中に編集担当から『異世界ものの作品をやりませんか』とお声掛けをいただいて、温めていた案を出したという形になります。
作品の案としては『ファ美肉おじさん』の設定とは全然違う案もあったりしたのでしょうか。
津留崎先生—–今回はギャグ路線でって事でこういう作風になりましたが、私自身ラブコメの作品を結構描くので、ラブコメという指定でしたら恐らく『ファ美肉おじさん』とは違う作品になっていたと思いますね。基本的には『こういうジャンルで』と言われたものに合わせて描いていたと思います。
それでは担当の方に『異世界ものをやりましょう』という相談を受けて『ファ美肉おじさん』の発案に至ったと感じですかね。
津留崎先生—–一番最初に案を出した時は難色を示されたのですが、キャッチコピーを聞かれた際に、苦しまぎれに『異世界..美少女..受肉おじさん….?』と言いまして。(笑)『異世界美少女受肉おじさん..略してファビ肉でどうですか?』と打診してみたところ無事GOサインをいただけたという感じです。
編集担当——帯にこのワードを書いたら強いと思いました。(笑)
色々な要素がつまっていますもんね。(笑)
津留崎先生—–その後もタイトルについて結構悩んでいたのですが、結局現在のタイトルに落ち着きました。最初は『異世界美少女受肉おじさんと』の『と』は蛇足かなと思ったのですが、ストーリーは”神宮寺司と橘日向の物語”なのでこの形で良かったなと思っています。
本作は異世界ものをベースにTS(トランスセクシャル)やBLなど色んなジャンルが混ざっていますが、それをひとつの作品としてまとめるのに苦労した事はなんでしょうか?
津留崎先生—–これはよく担当さんとも話すのですが、異世界ものの作品の中でもあまり前例がないジャンルになりますので、他の作品を参考にできないという点が結構大変ですね。ある程度テンプレに沿って描いていく事ができない故に”面白いか面白くないか”を判断基準にしています。
漫画家になった経緯
同人界隈でも活動をされていたという事ですが、二次創作やオリジナル作品を描かれていたのでしょうか
津留崎先生—–実はあまり自分で『これを描きたい!』という題材がなくて、そういう事もあって二次創作が好きでコミカライズをやったり、同人をやったりという感じでした。
その活動の際にご縁があって今のお仕事に?
津留崎先生—–もともとゲーム会社で働いていたんですが、ゲーム会社に勤めながら描いていた4コマがマンガがそこそこバズリまして、その際に何社かの出版社からお声がけをいただいたのがプロとして活動していくきっかけですね
どれくらい前のできごとでしょうか?
津留崎先生—–大体今から12年近く前の事ですかね。
そういう経緯でプロになられたのですね。アニメは昔から好きだったのでしょうか?
津留崎先生—–そうですね、ずっと前からアニメは好きですね。幼少期の頃、母親がファミコンをやっていまして、そこから影響を受けゲームからアニメ..そして漫画と、いつのまにか所謂オタクコンテンツ呼ばれるものは全網羅しました。(笑)
入りはゲームなんですね。
津留崎先生—–ゲームが一番好きでして。ただ色々経験していくうちに『自分はゲームを作るのには向いてない』と思いまして、漫画を描いている..といった感じです。
ちなみにどんなゲームやアニメ好きなんでしょうか?
津留崎先生—–最近ハマっているゲームは『ブラックサバイバル: 永遠回帰』というMOBAにハマってます。アニメは…最近見た作品だとやっぱりシン・エヴァンゲリオンが最高だったかな..?エヴァンゲリオンは人生でした。一人の人生を見終わったなぁという印象で本当に感動しました。
エヴァは確かに完結という事で大変注目された作品でしたね。一番好きなアニメはどんな作品でしょうか?
津留崎先生—–灰羽連盟!それと最近だと神撃のバハムート1期ですかね。バハムート1期は作画がとてもよくて好きですね。あとは…カウボーイビパップとかですかね。結構古めの作品が好きですね。
なるほど。やっぱり昔から親しんできたアニメですが自分の作品がアニメ化するというのが感慨深いものでしょうか。
津留崎先生—–そうですね。ただ現在制作中でまだ動いている絵を見ていないので、実感するのはもう少し先になりそうです。
池澤先生との出会いについて
池澤先生が手掛ける作画の魅力とはどんなところだと思いますか。
津留崎先生—–専門学生の頃からずっと池澤先生の絵が好きなんですけど、一番良いなと思った所は立体感ですかね。ちゃんとその場所にキャラクターがいるというか。とにかく立体感が表現能力が高く、私もそういう絵の描き方を目指したことがあるのですが到底叶わずでした。地力が必要な才能だと思います。
専門学生の事からという事ですが、池澤先生とはどういう出会いになるのでしょうか。
津留崎先生—–池澤先生とは専門学生の頃に同じクラスで、そのまま結婚するに至ったという流れです。当時からしてみればお互い第一線で活躍できるようになるとは夢にも思いませんでした。
壮大なエピソードですね!『ファ美肉おじさん』の作画に関して、こういう風にやってほしいと津留崎先生から池澤先生にリクエストする事があるのでしょうか。
津留崎先生—–結構あります!なんなら毎回修正は厳しめの内容でお渡ししていると思います。一番多いのはキャラクターの表情のリクエストですかね。互いに知見や能力を活かして細かく調整したり指摘したりと..まあ和気あいあいとやっています(夢)
なかむつまじい様子で微笑ましいですね。(笑)キャラクターについて少し深堀させていただきますが、キャラクターの性格とかってどういう風に設定しているのでしょうか。
津留崎先生—–橘日向は人間っぽさを出したいなと設定したキャラクターですが、神宮司はその真逆で絶対に誰も感情移入できないキャラにしてやろうと思って作ったキャラですね。感情移入できないキャラって感情移入ができた瞬間に『このキャラ成長したな』と感じるなぁと思ってて、それを狙って設定したキャラです。
なるほど。それで言うとシュバ君なんかはどういった経緯であの性格になったのでしょうか。
津留崎先生—–最初は噛ませ犬っぽいキャラを想定していたのですが、描いているうちにいつのまにかあの元気なキャラになっていました。(笑)
津留崎先生的にお気に入りのキャラっはどのキャラでしょうか。
津留崎先生—–キャラってよりはモブですね。モブが変なこと言ってたりとモブを動かすのが結構好きで。異世界なのでやりたい放題ですしね。(笑)
確かに。(笑)今後はモブにも用注目ですね。ちなみに一番動かしたモブはどのキャラでしょうか。
津留崎先生—–村長ですかね。(笑)あれは面白く描けたなーと思います。あと私自身『ファ美肉おじさん』の中で一番面白く描けたなーというギャグ回がシェンと神宮寺とのバトルシーンで、あれもまた面白くかけたと思っています。
シェンとの戦いは見ている側も色々とヒヤヒヤするものがありましたね。(笑)ストーリー展開はどういう点を意識して描かれているのでしょうか。
津留崎先生—–できる限り退屈な回にならないよう毎回意識して描いています..という頑張っています。ただどうしても退屈な回というのができてしまうので、その後しっかりと挽回できるようにメリハリをつけるようにしています。
メリハリを意識されていると。
津留崎先生—–意識しないとなんとか面白くしようとつめこみすぎてしまって。それが良くなく、いつも担当に詰め込みすぎ!と怒られています。(笑)
一般的な作家さんって案がでてこないという方が多い気がしますが、逆にあふれてしまうんですね。
津留崎先生—–ネームを描いている時はついつい間延びしてるよなーと思ってしまい詰め込みがちになってしまいますね。ただ、間延びしていると思ったネームでも絵が入るとすごく良くなる事もありまして。そういった所でも池澤先生には助けられています。
憧れだったアニメ化を実現して
1巻の後ろに『連載を勝ち取った事で1勝』とおっしゃられていましたが、それでいうとアニメ化で2勝..という感じになるになるのかなと思いますが、そのお気持ちを詳しくお伺いできますでしょうか?
津留崎先生—–私自身負けず嫌いなので、ものごとを勝ち負けで考えた方がモチベがあがるんですよね。アニメ化したという事は面白い作品を世の中に提供できているって事なのかなって思っていて、そういう意味で成功したといえるのかなと思い『勝ち』!という感じですね。
自分の発案した作品が世間で人気を博したという事は成功おさめたと言っても過言ではないと。
津留崎先生—–そうですね、大衆に評価されたという事はファビ肉おじさんの設定も一般的な性癖と言っても過言ではないのかなと。(笑)
最後に、憧れていたアニメ化を実現されて思う事はなんでしょうか。
津留崎先生—–アニメ化自体はめちゃくちゃ嬉しいですが、『ファビ肉おじさん』っていうワードは世間体にはどうなんだ..と思う節があったりなかったり。親にも説明しづらいですし(笑)ただ、とりあえず第一関門突破っというところですかね!
池澤真先生インタビュー
日本の漫画家、イラストレーター。本作では主に作画を担当。
過去に『プレフレ』『オーバーイメージ』などのコミカライズを担当。
キャラクターのデザインについて
橘と神宮寺それぞれのデザインでどのような点に注力されたのでしょうか。
池澤先生—–デザイン面に関しては実はあまりないというか..(笑)自分の好みを反映させてデザインした形ですかね。特に神宮寺司とか。
具体的なにはどういった部分になりますでしょうか?
池澤先生—–長身で眼鏡をかけていてスーツが似合う、そして狼狽したら可愛いだろこれっていうのが自分の中でありまして。神宮寺司はそういった自身の好みから生まれたキャラですね。
なるほど、それで言うと橘日向は池澤先生の趣味がどういった部分で反映されたりするのでしょうか。
池澤先生—–ギザ歯ですね。あと若干ウェーブのかかった金髪。キャラのデザインは津留崎先生とも意見合わせた上で描いているんですが、『ギザ歯可愛くね?』みたいなノリだったと思います。(笑)
メイン以外のキャラで個人的に気に入っているキャラはどのキャラでしょうか?
池澤先生—–シュバ君のデザインを描いた時には自分で描いて自分で笑いましたね。これは”なろう小説の主人公”ではないかと。(笑)良いキャラ描けたと思いました。
確かに恰好は主人公っぽいですよね。(笑)
池澤先生—–津留崎先生と好みが似ているというのもあるのですが、基本的には女性キャラが好きでこだわりが強いという事もあって、男性キャラのデザインのほうがはすんなり通る事が多いですね。ギャグを書くとなったら男性キャラの方が描く事は多いので、助かります。
女性キャラの制作は津留崎先生主とやりとりして制作される事が多いのでしょうか。
池澤先生—–そうですね、意見のすり合わせがあるおかげだいぶデザイン周りもブラッシュアップができていますね。
エルフだったりモンスターなど、ファンタジー世界ならではのキャラを描く際のこだわりなんかをお伺いしても宜しいでしょうか。
池澤先生—–モンスターを描く際ははかなり手癖が反映されているというか、今まで私が映画などで見てきたクリーチャー達がアイデアの元になっていますね。漫画を読んでいる人にそのクリーチャーが嫌だなーと思ってもらえるよう描いています。
1巻に登場する『森の神様』のデザインにもそういった背景があるのですね。ちなみに津留崎先生からのデザイン面での要望ってどんな事がありましたでしょうか。
池澤先生—–キャラの性格設定を踏まえた髪型設定があったり、それこそ津留崎先生に軽くシルエット描いていただいてからデザインに起こしたりなど、その都度細かくありますね。
津留崎先生が各ストーリー設定やキャラの魅力はどんなところにあると思いますか。
池澤先生—–どのキャラも可愛げがあるところが良いなと思います。本当に嫌な性格のキャラがいなく平和な感じが良いと思います。(笑)
背景や小物を描く際に気をつけているところはありますか
池澤先生—–普通の事になってしまいますが、小物に関してはしっかり調べものをして資料を見て描く..というところですかね。背景に関してはイメージだけ伝えて背景アシスタントの方に制作依頼する事が多いので、背景はアシスタントの方の力に助けられていますね。アシスタントの方も同級生でアニメの背景担当経験等もある事からその方に依頼しています。
『ファ美肉おじさん』かつての専門学校の同級生同士で作られている作品なんですね。
池澤先生—–そうですね。(笑)
アニメ化に対してですが、こんな風にキャラを描いてほしいという希望はありますでしょうか。
池澤先生—–とにかく可愛く描いてほしいなと。それと恰好良く動くシーンがある良いなと思います。
かつては池澤先生自身もアニメーターの経験があるという事を事前にお伺いしましたが、最後にアニメの原作者側になってみての感想をお伺いできますでしょうか。
池澤先生—–えーっと過去の経験も踏まえ、色々思う所もあるのですが…まとめると『ありがとうございます』という感じです!(笑)
吾田慎吾さんインタビュー
Cygamesが運営する『サイコミ』の編集者。
本作の編集を担当。
編集担当のお仕事ついて
編集とはどういうお仕事になりますでしょうか。
吾田さん—–簡単に説明しますと作家さんからいただいた原稿を媒体に載せ、読者に届けるという仕事になります。そのうえで編集者個人がどうしたらより作品を面白くできるのか等を考えて行動するという形になります。
常日頃から作品をより面白くするために吾田さんから作家さんに提案したりという事もあるのでしょうか。
吾田さん—–そうですね、これは編集者によりけりにはなると思いますが、私はこうしたらもっと面白くなるのではないかという案を作家さんには随時提案させていただいております。
ファ美肉おじさんを担当される前はどんな作品を担当されていたのでしょうか。
吾田さん—–某有名作品のコミカライズの担当がメインで、オリジナル作品はこの『ファ美肉おじさん』が初めてに近いですかね。直近ですと『異世界社長 魔王軍で成り上がる!』、『いわかける!! -Try a new climbing-』などが担当した作品となります。
やっぱり吾田さん自身、異世界作品が好きなのでしょうか?
吾田さん—–そうですね。めちゃくちゃ読んでますね(笑)
編集担当として、自分が担当する作品でアニメ化したいなと思いはあったのでしょうか。
吾田さん—–はい、アニメ化と言ったらやっぱり一つ箔がついたと言いますか、ただなんでもいいというわけではなく、津留崎先生と池澤先生の作品をアニメ化したいという気持ちの方が強かったですね。
担当編集としてアニメ化に向けて行った提案とか企画をお伺いできますでしょうか。
吾田さん—–異世界ものは昨今のアニメ市場でもまだまだ大きく需要のあるジャンルかと思っており、その上で津留崎先生から出していただいた『ファ美肉おじさん』のご提案はアニメ化をするにあたりキャッチーなフレーズを重要視していた私としては『いけるのではないか!?』と。(笑)
なるほど。
吾田さん—–読んでいてい楽しい、見ていて楽しい作品はこの世の中にたくさんあると思うのですが、聞いてみて面白そうというのがやはり大事かなと思います。
編集担当が語る『ファ美肉おじさん』
編集担当目線で『ファ美肉おじさん』にはどんな魅力があると思いますか?
吾田さん—–やはりキャッチーなセリフ使いとコメディ、そして絵力の強さ。この3点になるかなと思います。
原作を連載するにあたり編集サイドからストーリーなどに要望を出した箇所はありますでしょうか?
吾田さん—–構成とか、あとは毎回だいぶ長い時間を打合せさせていただいていますね。
津留崎先生—–もう半分くらい一緒に作品を作っているんですよね。私からラフの案を提案して吾田さんから『ここはこうした方が良い』などのアドバイスをいただいて作品を構築していきますので、吾田さんでなければアニメ化はしていなかったのではないかなと思います。『ファ美肉おじさん』はもともとは短編で書こうとしていたのですが、吾田さんからの提案もあって今の形となりました。
やっぱりそれはアニメ化を狙ってという事でしょうか?
吾田さん—–もちろんそれもありますが、大前提として連載形式の方がより多くの読者に観ていただけるという所が大きいですかね。津留崎先生のコメディ作品が面白いという事は既にわかっていたので、短編で終わらせるよりはシナリオに盛り込んだ方がメリハリに繋がるだろうと思いましたね。
『ファ美肉おじさん』を支えるファンについて
原作に対するファンからの反響はどういったものが多いでしょうか。
吾田さん—–性癖を歪められたという人が多かったですね。(笑)コメントを見ていても『まったく新しい新感覚』だったりとか。読者の成熟具合が伺える作品かなと思います。(笑)すごくありがたい事で、読者が引っ張っていってくれている作品だと思います。
本作では界隈でも有名な熱狂的なファンの方もいらっしゃいますが、そういったファンの方の存在はやはりアニメ化に大きく影響するするのでしょうか。
吾田さん—–そういう意味だと中国の熱狂的なファンの方々もそうですし、中国まで広がった背景にはそもそも日本のファンの方々の存在があっての事だと思いますので、ファンの影響は大きいですね。
具体的にどういった部分でその影響してくるのでしょうか。
吾田さん—–それこそ漫画大賞など、直接的な影響というよりはファンの応援の元、そういった大衆の目につくところへ作品が露出する事で必然的にプロデューサーの目には留まりやすくなりますよね。
アニメ化されていない作品にて、その作品がよりアニメ化に近づくために編集担当目線でファンへはどういうアドバイスと言いますか、アクションをおすすめしますか?
吾田さん—–熱心な布教に限りますね。(笑)母体が多ければ多いほど、アニメのプロデューサーの目に留まる機会が多くなりますのでぜひみなさんに好きな作品は布教をしましょうと。
吾田さん自身はSNSで担当作品のエゴサをされたりするのでしょうか。
吾田さん—–感想等はよく拝見していますね。作家さんがSNSをやられていない方でしたら感想を共有したりしています。
アニメ化を実現するために編集者としてどういうアクションをされたのでしょうか。
吾田慎吾さん—–具体的に動く前にアニメ化が決まってしまったという。(笑)コミックスの2巻の構成作業をしている最中にアニメ化のご相談をいただいたのでアニメ化に向けたアクションをする前に決まってしまいました。(笑)
アニメ化の打診があった際はCygames内でもアニメ化を進行するか否かの話し合いなどはあるのでしょうか。
吾田さん—–基本的には編集部の裁量ですかね。ただこの企画は最初に打診があったとき、顔合わせかなと思って臨んだのですが、打合せをするやいなやガチガチの企画書をいただきまして。そのままよしやろうと。(笑)
連載企画を社内で通すまでに色々と試行錯誤されたのかなと思うのですが、その際のお話をお伺いできますでしょうか。
吾田さん—–そうですね、津留崎先生自身はネーム作りで色々とご苦労されてましたね。1回『踊る大走査線』のように警察官の設定にしようとしたこともありました。
津留崎先生—–そうでした。ただ私自身が警察を描けないなと思い、結局やめました。(笑)
吾田さん—–『踊る大走査線』に登場する青島と室井のようにしようという話もあったのですが、そうすると橘日向のキャラがたちすぎるという事でやめようと。それで普通のサラリーマンになりました。
それ以降は順調に進んでいったのでしょうか?
吾田さん—–1話の骨格ができた後は制作面では順調でした。ただ、一般的な異世界もののケースからわりと大きく逸脱した設定だったので動向が読みづらく……。知人たちからも“よくわからない“とあまりいい評判ではなかったですね。ただそれで私自身が逆に火が付き、そこから先生方と制作を進め1話目がバズッた際は達成感がありましたね。(笑)
編集担当から見た津留崎先生と池澤先生
吾田さんから見た原作者お二人の印象をお伺いできますでしょうか。
吾田慎吾さん—–真面目な天才だと思います!作品の展開であったり、ネームの作り方で両先生と言い合いになる事もあるのですが、そうなるケースって一般的に少ないんですよね。編集者がやろうと言ったらその通りになってしまう事が多いんですよね。ただ両先生に関しては作品を良くしたいという想いがそれぞれがしっかりとお持ちのため、故に言い合いになるのだと思っています。
池澤先生の絵に関してはどう感じていますでしょうか。
吾田慎吾さん—–色んな構図の引き出しがあるというのは本当に真面目を体現していないと会得できない知見かと思います。積み重ねで今の先生があるのだと思っています。
原作者のお二人との信頼関係が伺えますね。それでは最後に本作を応援していただいてるみなさまにメッセージをお願いできますでしょうか。
吾田慎吾さん—–当初から目的としてきたアニメ化を実現できたという事で関わっていただいた方々に感謝しています。今後ともみなさまにの期待に応えられるような作品にしていければと思っておりますのでよろしくお願いいたします。それと作者のお二人には引き続き締め切りのお願いも..。(笑)
【異世界美少女受肉おじさんと】作品情報
無料マンガ配信サービス『サイコミ』にて毎週月曜日に最新話を更新!現在第1巻が無料公開中となりますので気になった方はぜひチェックしてみてください。
また、コミックス第5巻が10月18日に発売予定!お求めはお近くの書店、またはオンラインショップまで!
作品名 | 異世界美少女受肉おじさんと |
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原作 | 津留崎優、池澤真 |
連載日 | 毎週月曜 |
出版社 | 小学館 |
公式SNSアカウント | @fabiniku |