2021年10月より放送開始のアニメ『ブルーピリオド』の第1話・第2話をレビューしてみました!まだ視聴していない方はぜひ参考程度にどうぞ!
『ブルーピリオド』とは?
原作者の体験に基づいたリアルなストーリー
原作者である山口つばさ先生の”実体験”をもとに書かれた本作は、ヤンキーでありながら成績が優秀な高校生『矢口八虎』がある出来事を通して美術の奥深さ・秘める力に触れ強く感銘を受けたことをきっかけに、美術系大学で最難関と謳われる『東京藝術大学』への入学を目指す物語です。
美術を主題として取り上げた作品という事でまさに”芸術の秋”に相応しい作品と言っても過言ではありません!
異類の美術×スポ根作品
©2016 いみぎむる/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/この美製作委員会 | ©羽海野チカ / 集英社・ハチクロ製作委員会 |
美術を題材にしているアニメといえば、”問題児”ばかりが集まる美術部のドタバタコメディを描いた『この美術部には問題がある!』や、美大に通う少年少女の苦悩や葛藤、恋模様を描いた青春群像劇がみることができる『ハチミツとクローバー』などがあげられますが、本作は”美術”に”スポ根要素”を掛けあわせた珍しい組み合わせの作品で、熱いドラマチックな展開に期待できる作品です。
『ブルーピリオド』1話・2話を視聴してみて
画材や登場する油絵も超リアル
引用:https://youtu.be/17YXAQoyH2Q
まず筆者が注目したのは、作中で見かける絵画をはじめ、絵画を描くとき使う画材などが繊細かつ細かく表現されたリアリティのある部分です。
例えば、美術部の先輩が1枚の油絵を制作しているシーンがあるのですが、油絵で使用するキャンバスの布地の”質感”や”絵の具が乾いた後の微妙な色合いの変化”など実物のものと勘違いしてしまうくらいリアルに描かれています。
特にキャンバスにアクリル絵の具を塗ったときに格子状の模様がうっすらと浮かび上がる表現などこだわりを感じるポイントですね!
動画より引用:https://youtu.be/17YXAQoyH2Q |
また、絵を描くシーンにおいても”絵の具をパレットに出すシーン”、”絵の具を筆に馴染ませるシーン”など”実際に絵を描くときのリアルな工程”が各シーンに落とし込まれており、細かい部分までしっかりと表現されています。
美術の知識がなくても楽しめる
引用:https://youtu.be/17YXAQoyH2Q
”絵を描く際の技法”、”色の表現方法”などといった絵を描く上での細かい技術を登場キャラクターたちのやり取りから詳しく知ることができるので、知見がなくても安心して楽しむことができます!
登場キャラの言葉が”いちいち”良い!
動画より引用:https://youtu.be/17YXAQoyH2Q |
作中に登場するキャラクター(美術の先生や先輩)が八虎に送る数々の言葉にはとても深みがあり、思春期真っ只中の高校生の心をストレートに打つ言葉ばかり。こうした彼らの一つ一つの言葉が視聴している私達の心をもぐっと掴み、気づかぬうちに作品に引き込まれてしまうのもまた本作の魅力であると感じました。
”言葉”で伝えられなくても”絵”で伝えられることもある
動画より引用:https://youtu.be/m5tER2kO3Ok
本作を視聴した中でも特に筆者が感動したのは、八虎が美術の時間に描いた早朝の渋谷の風景を”青くとらえた”一枚の絵が、初めて他者に褒められ、周囲の友人に自分の伝えたかった本心が”言葉”ではなく”絵”を通して伝えることができたという感動に思わず目頭が熱くなりました。
また、”自分の好きなものを他人に素直に好きと伝える難しさ”が簡単ではないことを実感させられた気がしました。
『ブルーピリオド』レビューまとめ!
胸の奥に眠る”青い”衝動が奮い立つ瞬間を見た
TVアニメとなり声や色が加わることで表現できることの幅が広がり、よりリアリティに拍車がかかっている印象を受けました。
作中で筆者が特に印象に残っているのが八虎が『渋谷の早朝を描いたシーン』。アニメとなり色が付いたことで作品が仕上がった際の達成感、そしてそれが他人に評価されたシーンの八虎の嬉しさが動的な映像を通すことでより強く伝わり、とても感動的なシーンでした。
1枚の絵をきっかけに動き出す八虎の世界ですが、今後果たして八虎は最難関と呼ばれる東京藝大に入学する事ができるのか、物語の最後までとても気になります..!
『ブルーピリオド』作品概要
スタッフ
原作 | 山口つばさ 『ブルーピリオド』(講談社「アフタヌーン」連載) |
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総監督 | 舛成孝二 |
監督 | 浅野勝也 |
シリーズ構成・脚本 | 吉田玲子 |
キャラクターデザイン | 下谷智之 |
美術監督 | 仲村謙、金子雄司 |
美術設定 | 緒川マミオ、中島美佳 |
撮影監督 | 服部安 |
色彩設計 | 歌川律子 |
3DCG監督 | 大見有正 |
編集 | 関一彦 |
特殊効果 | 福田直征 |
音楽 | 井上一平 |
音響効果 | 小山健二 |
音楽プロデューサー | 酒井康平 |
音楽制作 | DMM music |
音響監督 | 菊田浩巳 |
制作 | Seven Arcs |