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「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2026(「TIGS」)」が3月20日から21日にかけて開催された。本イベントは新作や開発中のインディーゲームが並ぶ、ゲームフェスだ。本稿ではその模様をお届け……と言いつつも、「インディーゲームって何? 」と思う方もいるだろう。そこで本稿ではインディーゲーム界隈を数年に渡って取材し続けてきた筆者が“インディーゲームの今”をいちからお伝えしていこう。

そもそもインディーゲームって何!?

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「TIGS」は“地域密着型のイベント”として毎年開催されている、インディーゲーム界隈では歴史あるイベント。今年は高円寺の旧小学校校舎をリノベーションした「杉並サイエンスラボ IMAGINUS」にて開催された。主催は「Phoenixx」だ。キッズエリアや休憩スポットなども存在しているため「ゲームフェスは心理的ハードルが高い」と考えている方も気軽に覗いてほしい。

だけ、インディーゲームというジャンル、今では「AnimeJapan 2026」にて「アニメ化してほしいインディゲームランキング」なども開催されるようになったが……そもそもどういうものかをよくわかっていない方も多いだろう。

定義は多岐にわたるが(論争が起きるほど!)、インディーゲームはざっくり「少人数開発のゲーム」を指す。しかしこれだけでは「小規模なゲームなんだな」ということ、語感がなんかオシャレなことぐらいしかわからない。

しかしインディーゲームの世界は、“お安い個人開発のゲーム”以上の魅力に満ちている。そこで本稿は「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2026(「TIGS」)」を舞台に、「ぼんやりと知っているけど、あまり興味がない」という方に向け、“新しいゲームの世界”を知ってもらうのが目的だ!

「作りたいゲームを作る人たち」だからこそ、面白い!

「少人数開発のゲームって、ゲームの面白さと繋がらないんじゃない?」というのはもっともな疑問だ。しかしこれは「少人数で作っているから、作家性が出やすい」というメリット、面白さに繋がる。巨額の費用をかけたAAAタイトルなどは、多くの人間に遊んでもらわなければならないため、作家性などは薄れていく傾向がある。

なぜなら、利益を回収しなければならない環境においては「この尖った内容が面白い」という意見には「一部の人にはウケるだろうけど、制作費用が回収できないよ」なんて判断が下されたりもするだろう。

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しかしインディーゲームという世界は「自分が作りたいものを作る」ため、少人数の開発者が多い世界だ。マイナーでも、尖っていても、問題作でも構わない。余談だが、この“尖り”には「昔遊んだゲームを再現したいな」という尖り方もあるため「小学生のころ好きだったゲームみたいだ!」というタイトルもある。

ちなみに、小規模開発だからと言って手が抜かれているなんてことはない。インディーゲーム開発者さんの中には、時にゲーム企業に勤めるプロもいる。彼らは「自分の作りたいゲームはまだ作れない。だったら一人で作ってしまおう!」「スキルアップの一環でゲームを作ろう!」と参加していたりするのだ。

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少人数だから大規模な作品は作れない……というのも、最近では普通にメリットになっている。要するにお求めやすい価格でありつつ、スパッと遊びやすいボリュームに収まっているのだ!

まさしく忙しい学生や社会人が、スキマ時間で遊ぶことにピッタリ。配信者さんなどにとっても「スパっとみんなの前で遊べるジャンル」となっていたりして、よくゲーム実況などが行われている。要するに、昨今の“ゲームのニーズ”にピッタリ収まっているのが、昨今のインディーゲームブームの理由である。

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インディーゲームとは、そういう理由でガチの技術力がありながらも“面白く、クリアしやすいゲームが制作される世界”なのだ。もちろん「今までゲーム作ったことなかったけど人気になった!」なんて人もいるが。では、そんなインディーゲームが集う「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2026」(TIGS)とはどんなイベントなのか、インディーゲームの最前線を紹介していこう。

今のインディーゲーム業界には有名企業も参入している!

Cygamesにバンナム…インディーを裏から支える企業たち

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「Phoenixx」が主催している「TIGS」は、はじめに書いた通りに、地域密着型のイベントとしての側面もある。吉祥寺や高円寺などと連携して、家族連れも遊びに来やすい雰囲気を醸成しているイベントだ。

筆者が訪れたのは3月20日のビジネスデイ。旧小学校の校舎をリノベーションしているからか、“会場が体育館や教室”と地味にテンションが上がる。

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さて、体育館の中心ではCygamesとGYAAR Studio(バンダイナムコスタジオ)のブースがどデカくお迎えしてくれた。実は「TIGS」には企業が参加しているケースが多い……というより、多くのインディーゲームイベントは企業に支えられているのだ。

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Cygamesはもはや画集のような2025年の社報やコンソールタイトルなどを利用してPR活動を行っていた。「インディーゲームイベントにCygames?」と思われそうだが、実はCygamesは「TIGS」のみならず数多くのインディーゲームイベントにスポンサーとして参加し、業界を支えている

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GYAAR Studioはまるで怪盗のような「予告状」を用意しての参戦だ。これは『BANDIT KNIGHT』に合わせた仕掛け。会場では各ブースがさまざまに来場者を飽きさせない仕掛けを施していた。

GYAAR Studioブースには『GooNECT√2』(Phoenixx、AMBER GAMESと協働)、『BANDIT KNIGHT』、『Depth:Origin』、『タンポポは耐える』などの試遊台がズラリと並ぶ。

GYAAR Studio/AMBER GAMES
TIGS1080_1『GooNECT√2』
(GYAAR Studio/Phoenixx
/AMBER GAMES)
TIGS1080『BANDIT KNIGHT』
TIGS1080_1『Depth:Origin』 TIGS1080_1『タンポポは耐える』

switchやPS5対応タイトルもずらりと並ぶ!

企業の立ち位置は、主に“パブリッシャー”…パブリッシングって何してるの?

「TIGS」には「パブリッシャー(販売元)」も多く参加している。このパブリッシャーというのは、制作会社あるいは個人が開発したゲームの販売を引き受け、広告やマルチメディア展開などをしてくれる立ち位置だ。

「開発したところがそのまま販売もしたら良いのに」と思いそうだが、現実問題はそうはいかない。これは個人開発者で考えるとわかりやすい。一例を挙げれば。ローカライズ、国外への翻訳などは「質の良い翻訳者の確保」などが必要で……とてもじゃないが個人ではこなせない作業量、ノウハウになってくる。

また、(全てがそうなるわけではないが)パブリッシャーの協力によってswitchやPS5などのコンソール機でもプレイ可能になるタイトルもかなり多い。これもパブリッシャーの恩恵の一つだ。

また、主催の「Phoenixx」も、​インディーゲームパブリッシャーであり、企業のひとつだ。会場で試遊可能であった『メンヘラリウム』『ウンコテクニカ』などパブリッシングを行っている。

PARCOに松竹、集英社…知ってる企業もずらり!

しかし、今インディーゲーム業界に参入しているのは“ゲームを事業の中核とする企業”のみではない。昨今では多くの企業がインディーゲームのパブリッシャーとして参加しており、実に多彩な業種の企業を見ることができるのだ!

面白いところとしては「PARCO GAMES」「松竹ゲームズ」などが挙げられるだろう。

松竹ゲームズ
TIGS『ヨグ=ソトースの庭』 TIGS『夢幻桜楼閣』

“PARCO”も“松竹”も、ゲーム以外の日々の生活で近くに存在している会社だが、今後はゲームの領域でもお世話になりそうだ。

PARCO GAMES
TIGS1080_1『Finding Polka』 TIGS1080『The Berlin Apartment』
TIGS1080_1『南極計画』 TIGS1080_1『Constance』

ちなみに最近で大きく流行ったインディーゲームといえば『都市伝説解体センター』だが、そのパブリッシングを手がけたのは「集英社ゲームズ」であり、その名の通り集英社を母体にしている。

集英社ゲームズ
TIGS1080_1『シュレディンガーズ・コール』 TIGS1080『OPUS: Prism Peak』
TIGS1080_1『ANTHEM#9』 TIGS1080_1『UNYIELDER』

推しパブリッシャーを作るの、アリかも…?

これだけの数の企業が、培ったノウハウや企業としての個性を駆使してインディーゲーム市場に参入しているのだ。インディーゲームがメジャーになって久しいが、これからも伸びていくジャンルなのは間違い無いだろう。

しかしここまで大企業の名前が続々出てくると、「個人開発なのに企業が関わっているの?」と少し戸惑う方もいるだろう。しかし彼らは、いわば“ゲーム開発者の後方サポート”ポジションだ。アドバイスによってブラッシュアップされたポジティブな事例なども伝え聞くが、基本的にはクリエイターがメインとなる。

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その点で考えると、パブリッシャーがついたということは、彼らが自ら「このゲームをサポートしたい!」と考える作品だということだ。もちろんパブリッシャーを望んでいない個人クリエイターも多くいるが、企業が見込んだゲームとなる。遊ぶ作品を選ぶ上で一つの基準になるかもしれない。

そして、パブリッシャーごとに好みというか、好きな方向性があるような気もする。そういう意味では「推しのパブリッシャー」を作るのも大いにアリなのかもしれない。

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もちろん以前からゲームに注力していた会社もパブリッシャーとしての存在感を見せる。たとえば「ブシロード」や「ハピネット」などだ。これらの会社もTIGSに、自らがパブリッシングするインディーゲームを出展していた。「ビサイド(Bexide)」など、地力のあるデベロッパーもその横に肩を並べる。

ブシロードはオタクなら一度や二度は目にしたことがある有名企業だろう! ゲームにアニメ、多角的にゲーマーをサポートしてくれる企業だが、インディーゲーム分野にも注目していきたい。

ブシロード
TIGS『Lilac』 TIGS『花束を君に贈ろう-Kinsenka-』

ハピネットは「ハピネットゲームフェス!」を開催するほどにゲーム業界の盛り上がりに意欲的な会社だ。インディーゲームにおいても、過去の名作をパブリッシングしたりと大事な役割を担ってくれている。

ハピネット
TIGS1080_1『アーティス インパクト』 TIGS1080_8『モノノケの国』
TIGS1080_1『Apopia: スイート・ナイトメア』 TIGS1080_1「ハピネットゲームフェス!」

ビサイド(Bexide)は、『どこでもいっしょ』シリーズの開発元として有名なデベロッパーで、パブリッシャーとしての参加ではない。今回はホロライブキャラによるインディーゲーム『ホロタイプ お宝ゾンビの島』や、3Dパズルゲーム『フルーツマウンテン パーティ』を出展した。『ホロタイプ お宝ゾンビの島』の場合は、ホロインディーがパブリッシャーとなる!

ビサイド(Bexide)
TIGS『ホロタイプ お宝ゾンビの島』 TIGS『フルーツマウンテン パーティ』

パブリッシャーがつけば、Switchなどのコンソールにも登場しやすく

インディーゲームファンが「好きなゲームにパブリッシャーがついた!」と喜ぶ理由は、「PCのみならず、Nintendo SwitchやPS5でも遊べそう!」と期待できるからだ。

PCのみならず、Nintendo SwitchやPS5などでもゲームをリリースするとなると、中々個人開発者のみでは手が回らなかったりもする。しかしパブリッシャーがつくと(もちろんパブリッシャーやタイトルごとの違いはあるが)そのサポートもしてくれたりする。

海外のゲームだと日本語翻訳の可能性も浮上してくるわけで、海外タイトル『ヨグ=ソトースの庭』などはその好例だろう。パッチでしか日本語版が遊べなかった本作だが、松竹ゲームズのサポートでローカライズが行われる予定だ。

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そしてインディーゲームパブリッシャーとして多く名前が上がるのはPLAYISMやroom6などだ。(もちろん、本稿では紹介しきれていないパブリッシャーも多く存在している。あくまで本記事に載っているのは、筆者がTIGSで取材できた範疇だけだ。その点には留意してほしい!)

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PLAYISMは『グノーシア』『8番出口』などをパブリッシングしたインディーゲームパブリッシャーの大御所。今回は『LOVE ETERNAL(ラブ・エターナル)』を展示していた。

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room6もインディーゲーム好きには、同様に名を知られている。インディーゲームレーベル「ヨカゼ」で独特の世界観に浸れる作品をリリースおよび開発していたりするのが特徴だ。今回は『きっと大丈夫だよね!』を出展し、独特の世界観に浸らせてくれた。

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開発者と直に話し合えるのもイベントの楽しみ!

インディーゲームイベントの嬉しさは、開発者と直接触れ合えることにもある。

今回は漫画版のヒットも力添えとなりSNSを中心に話題となっている『ケツバトラー』開発者のトモぞヴPがキッズエリアで子供たちにケツバトラー指南をしているシーンに出くわし、挨拶することができた。こういう展開はTIGSならではだ。
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ちなみに漫画版『ケツバトラー』はアニメジャパン2026にて「アニメ化してほしいマンガランキング」で3位に輝いている。「アニメ化してほしいインディーゲームランキング」1位に輝いた『都市伝説解体センター』と並んで、今後期待のIPだ。

さて、全てを紹介することはできないが、続いては開発者自らがブースを展開していた作品をご紹介していこう。中にはパブリッシャーが存在し、Nintendo Switchなどで遊べるようになる日も近いタイトルもある。

『DRAPLINE』

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『DRAPLINE』は、なんでも食べるドラゴン娘を育成し、来たる災いと戦う物語だ。……本当に、なんでも食べる。何キロもの木材や石は可愛い範疇、選択肢次第では近所の村……そして村人まで食べていく。当然、食べてはいけないものを食べさせると、ドラゴン娘は“良くない育ち方”をしていくぞ。

『メンヘラリウム』

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『メンヘラリウム』は「テスカトリポカ」が制作したゲーム。チンチロのサイコロを改造していって、理不尽な命懸けの勝負を強いてくる「メンヘラちゃん」と戦うゲームだぞ。今回TIGSを主催した「Phoenixx」がパブリッシャーとなっている。

『ウンコテクニカ』

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『ウンコテクニカ』はウンコをゴール(トイレ)にまで導くゲーム。名前こそとんでもないが、中身は難易度高めのアクションとなっている。シンプルな操作でありながら、ウンコをテクニカルに扱うことが必要となるぞ!こちらも「Phoenixx」がパブリッシャーだ。

『Where is my sword』

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『Where is my sword』は、こちらは『ロボット少女は夢を見る-RobotBattleChampionship-』などを作った上顎氏の新作。タイトルの「私の剣はどこ!?」さながら「モンスターと出会ったけどカバンの中のどこに剣をしまったかわからない少女」が敵と戦うゲームだ。

筆者の分まで楽しんで!

(未発売のものもあるが!)今回紹介したゲームは、ほぼすべてが手に入れやすく、遊びやすいゲームだ。衝動買いには持ってこいである。とはいえ全て紹介できたわけではもちろんない。

あらためて、インディーゲームは「どういうゲームであるか」とはっきりわかる区分ではない。しかし、“作りたいものを作る”という情熱は共通していて、その最前線にはクリエイターの魂が光る名作が転がっているのだ。

これは感情論だけじゃなく「クオリティ高く、手に取りやすく、満喫できる」作品が転がっている。今や一番くじすら行われるようになった『都市伝説解体センター』も、インディーゲームイベントに出始めた頃は今ほどのブームではなかった。案外、将来の人気ゲームはこういったところに隠れているのだろう。

“自分が好きなゲーム”と“今、話題のゲーム”は一致しないもの。自分だけの推しゲームを探しに、TIGSをはじめとしたインディーゲームイベントに顔を出してみてはどうだろうか。

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完全に余談だが、筆者はインディーゲームを取材するという仕事で行っているため、素直に楽しめなかったりする。「このゲーム遊びたいなぁ」と思っても、スルーせざるをえなかったり。読者の方々は筆者の分まで自由気ままに遊んでほしいっ……!