『貴方が狼カードデス！』レビュー｜人狼ゲームの推理パートをメインとしたアドベンチャーゲーム！仕様書を集め真実に辿り着け！

iOS,Android,PCにて配信中のアプリ『貴方が狼カードデス！』のプレイレポートをお届け。気になるゲームシステムや魅力を余すところなくご紹介！

『貴方が狼カードデス！』概要紹介

『貴方が狼カードデス！』は鳥小屋ポータRuが作成した「人狼系繰り返しデスゲーム」だ。iOS/Androidで遊べるほか、PCのブラウザでも遊ぶことができる。

人狼系繰り返しデスゲームという名の通り、チーム内に1人いる役職「人狼」を突き止めるTRPG「人狼ゲーム」をベースとしたデスゲームを繰り返し行っていく。そして、繰り返しデスゲームを行う中でなぜ自分達がデスゲームに参加する羽目になったのかを解き明かすという作品だ。

TRPG「人狼ゲーム」の説明はこちら


進行役のハイダー(左)とプレイヤー以外のデスゲーム参加者(右)

基本的に物語を読み進めて選択肢を選ぶテキストアドベンチャーのようなゲームとなっている。1回のデスゲームにかかるプレイ時間が5分程度かつ1〜2時間で全クリできるので、サクッとプレイすることが可能だ。

人狼ゲームをやったことがないという方も安心してほしい。本作には「仕様書」と呼ばれるゲームシステムやシナリオの解説書があるため、人狼ゲームを一ミリも知らないという方も躓くことなくゲームを楽しめる。

ちょっとグロいシーンがあるので、苦手な人は注意していただきたい。

本作のデスゲームはTRPGの人狼ゲームをベースとしてはいるものの、一部仕様が異なる箇所がある。それが”プレイヤーは他の参加者4人の議論を見て誰が狼かを決める役割を持つ”と”議論&投票ターンは1回のみ”という2点だ。

つまり人狼ゲームで言うところの「昼のターン」1回でプレイヤーは狼を探し出さなくてはならない。狼を当てれれば物語が進み、外せばゲームオーバーだ。ただゲームオーバーとなってもこれまでの進行度が消えるわけではないので、気軽に再挑戦することが可能だ。

本作の醍醐味と言えるのが参加者4人の議論を聞き、狼を推測する「弁解」パートだ。

人狼ゲームと同じく「村人」と「狼」以外に狼かどうかを見極める「占い師」や占い師が本物かどうかを知れる「魔道士」、議論をかき乱し狼を把握されないようにする「狂人」と多数の役職が存在し、嘘の役職語りによる心理戦は健在。

その上、本作ではこちらから質問して鎌をかけることができないため、なかなか歯応えのある推理ゲームに仕上がっている。

会話ログを追い”この話の流れならばこのキャラクターが怪しくないか？”や”このキャラクターが嘘をついてるなら矛盾が生じないか？”と唸りながら思考するのはなかなか楽しい。

ちなみにデスゲームのシナリオや犯人役のパターンを記憶して総当たりする方法も可能だが、シナリオは毎回ランダムかつ登場キャラクターの人数以上存在するため、あまりオススメできない(2敗)。迷った時の最終手段としたほうが良いだろう。

本作は狼を当ててデスゲームをクリアするたび、各キャラクターのバックボーンやデスゲームが始まる直前のエピソードが内包された仕様書がアンロックされる。その仕様書を確認することで次回のデスゲームの内容に変化が訪れるのだ。

なぜ、このデスゲームが行われるのか、デスゲームの参加者4人が集められた理由は？デスゲームの進行役のハイダーとは何者なのか……。仕様書を読みゲームを進めていくことで全ての謎が明らかになっていく。

これ以上シナリオに踏み込んだ説明はネタバレとなるため記載できないが、ただ人狼ゲームめいたデスゲームが行われているだけ……という内容でなくしっかりとオチが作られている。月並みなコメントだが結末はあなた自身の目で確かめて頂きたい……！

本作は可愛らしい絵柄や淡々とテンポ良く進行するゲーム性も相まって、良くも悪くも陰鬱とした雰囲気はあまりなく、デスゲーム特有のギスギス感を存分に味わいたいという人には向かないだろう。

しかし、恐怖感を煽る表現が苦手な方や謎解き要素に集中して取り組みたいという方にはオススメの作品と言える。特に人狼ゲームをプレイする中で”議論に参加せず推理に注力したい”と感じたことのある人はぜひ一度触れていただきたい。
『貴方が狼カードデス！』ゲームプレイはこちら