2024年7月26日にゲームスタジオとLiTMUSから発売されるNintendo Switch/PC(Steam)用謎解きホラーアクションアドベンチャーゲーム『青鬼』の先行体験レポートをお届け。
『青鬼』ゲーム紹介
2004年にPC向けフリーゲームとして誕生、その後は口コミや実況動画で大注目を集めネットを中心に一斉を風靡した謎解きホラーゲーム『青鬼』シリーズをご存知だろうか。本シリーズは第1作目のリリース以降、スマホ向けにナンバリングタイトルが制作されたり、ときには舞台化や映画化といったメディアミックス展開も行われたりと完全にフリーゲームの域を飛び出て長く人気を獲得し続けている。
このたび20周年を迎える2024年の7月26日に、シリーズ第1作目『青鬼』がNintendo SwitchとSteamにて発売。本作には従来の『青鬼』が丸ごと収録されているだけでなく、新作ゲームモード「青鬼 -藍編-」の追加で装いを新たにした1本になっているため、既プレイヤーも新規プレイヤーも新鮮な気持ちで楽しめるだろう。
今回は特別に発売に先駆けてゲームを先行プレイする機会をいただいたので、本記事ではホラーゲームが苦手なのにオリジナル版が好きな筆者の目線から「青鬼 -藍編-」のゲームシステムはもちろん、長く愛され続ける『青鬼』の魅力に迫っていきたいと思う。
新モード前にやっぱりプレイしておきたい!原点『青鬼』の基礎をおさらい
まず最初に述べておくと、「青鬼 -藍編-」は『青鬼』自体に触れてからプレイするのを強くおすすめする内容だった。
新モードは完全に独立しているため本編未プレイでも始められるのだが、『青鬼』の主人公「ひろし(命名可能)」の脱出劇を踏まえた上でプレイした方がよりスムーズに進められるのは間違いない。気になる新モードに入る前に、『青鬼』自体をおさらいしておこう。
シリーズの原点となる『青鬼』では、ひろしと愉快な仲間たちが“肝試し”をするため好奇心旺盛に立ち寄った「青鬼の館」からの脱出を目指すストーリーが繰り広げられる。
ゲーム内容としては大きなお屋敷で幾重にも渡る部屋を捜索、先々で扉を開ける鍵や暗い部屋を照らすライターを入手して道を切り開くアドベンチャーの要素を備えており、同時に獲得したアイテムをどこでどのように使うか推理するパズルのような謎解き要素が強い。
そして忘れてはならないのが本作はホラーゲームであるということ。館を探索していると「ブルーベリー色の巨人」なる非常に不気味な存在が突如として現れ、執拗にひろしを追いかけてくるのだ。
体に対し大きすぎる頭にギョロリとした目玉と見た目が不安感を誘うだけでなく、人間キャラクターのドット絵と比較すると何倍も大きい。その上、前触れもなく何もないところから突然出てくるので本当に怖い。
巨人に追いつかれると即ゲームオーバーになるので、こまめにセーブしておこう。なおセーブ&ロードは高速なので気楽にリトライできる。
筆者はホラーが大の苦手なので当時オリジナル版に触れていたにも関わらず、久々プレイとなった今回も大絶叫して心臓をバクバク言わせながらのプレイとなった。
とはいえスプラッタ要素はなく、単純に“急に恐怖の象徴みたいな存在が現れて追われるのが超怖い”だけなので、ホラーゲーム入門におすすめ。実況動画でしか見たことがないといった方も、自分でプレイすると手に汗握る緊張感が得られるだろう。
巨人との追いかけっこは、館の脱出までに何度も展開される。とにかく逃げ続けたり一部室内に置かれているクローゼットの中に隠れたりすることで巨人を撒けるので、うっかり行き止まりに入ることがないように身を隠せそうな場所を前もってチェックしておこう。
また巨人と鉢合わせた場所に戻るとアイテムを入手できることもあるため、急いで逃げていると忘れがちなマップ構造は常に頭に入れておきたい。
しかし、ときにはクローゼットに隠れても巨人に見つけられることも……! ドクンドクンと心音だけが鳴り響くSEも怖さを上乗せしている。
また一緒に屋敷にやってきた友人とは巨人の強襲により最序盤から離れ離れとなる。彼らの安否は果たしてどうなのか……なんとなく友人たちの面影を見せる巨人の“バリエーション”にも注目してほしい。
既プレイヤーは倍速モードで新たな楽しみ方ができる
また本作で新追加となった要素は「藍編」だけではなく、『青鬼』を最大で15倍速の速度で遊べる公式の「倍速モード」も搭載。
ゲームで倍速といえばセリフや戦闘が流れる速度が速まる2周目以降で便利なシステムという印象を持ちがちだが、本作の倍速はゲーム難易度を跳ね上げるものでもある。
純粋にたかしの移動速度が上がるので何度も往復することになる室内移動に便利……と思いきや、ゲーム自体の速度が上がるので巨人の移動速度も倍速に。見慣れたマップでもより素早く巨人の動きを予測、隠れ場所を探して巨人から逃げ切る判断が求められるので、まさにオリジナル版で『青鬼』を極めたプレイヤー向けのモードだ。
なお筆者は「なるほど、既プレイヤーが倍速でサクッと楽しめる機能か」と思って倍速でプレイしたところ、爆速で巨人に襲われることとなった。
「青鬼 -藍編-」先行体験
新キャラ「藍」のシナリオはマルチエンディング仕様に!毎回異なる館構造が特徴
そして気になる完全新作の追加モード「青鬼 -藍編-」では、ひろしと同じく巨人だらけの館へ足を踏み入れてしまった新キャラ「藍」が主人公。
なお藍は友人「美香」と2人で館に訪れているのだが、ひろしの友人にも同名が存在する。もしかすると、藍はひろしと共通の友人を持っているのかもしれない。
「藍編」の進め方は本編と同じで、館を探索してアイテムを獲得しながら脱出路を見つけていく。大きく異なるのはエンディングシナリオが3パターン用意されていることで、ゲームをクリアして別のエンディングを見るためにもう一度始めからスタートすると、館の構造が全く異なるものになる。
毎回、開幕の「見知らぬ館の部屋で目が覚めた」段階で違う部屋からのスタートとなるので、いわゆる覚えゲーが通用しない。いつどこから巨人が出てくるのか、そして脱出するための手順が何なのかさっぱり分からない状態で新鮮なプレイが楽しめる。
また各部屋の家具配置や形は基本的に『青鬼』と共通のものが使われている。しかし隣り合う部屋は全く違うことから、「この部屋の隣はあの部屋だったよな」と本編を記憶していればいるほど混乱するのが面白い。全く同じ部屋が2連続で続くケースもあるので、迷子になるのは必至だ。
さらにひろし操作時にはギミックになっていたピアノや椅子などが“ただのオブジェクト”と化していることも。3つのエンディングシナリオ全てを見るためには、一旦新たな“藍の視点”で館全体を俯瞰して謎を解いていくことが鍵となる。
とはいえ『青鬼』で培ったアイテムの使い方や巨人の撒き方はガッツリそのまま「藍編」に活かせるので、マップが固定で変わらない本編を先にプレイしてから新モードに挑むのがおすすめだ。
『青鬼』先行プレイ感想
一度はプレイしておくべき!ホラー入門にもフリーゲーム入門にも最適
PC向けフリーゲームとして出立、スマホアプリやノベライズ化など数々のメディアミックス展開を通してニンテンドースイッチとSteamで生まれ変わったシリーズ第1作目『青鬼』は、やはり今プレイしても面白かった。
最初は突然現れる巨人が怖すぎて叫びながらだったプレイも、「あっこの辺は鬼が出そう……!」と事前に気配を察知、感覚的に巨人の出現場所が分かるようになってきた頃にはクリアしている。1日あれば初見でも『青鬼』~「藍編」まで走り切ることができるので、サクッとプレイできるのは元祖PC向けフリーホラーゲームの良さだろう。また何度も言うが筆者はホラーゲームが苦手なのに『青鬼』が好きなので、ホラーゲーム入門にとにかく最適な1本だと言っておきたい。
いまやフリーホラーゲームは1ジャンルとして確立し、実にさまざまな作品がリリースされてきているが、いずれの作品も長い時を経て今や当時を知らない若者も触れやすいNintendo Switchでも遊べるようになってきている。名作をプレイするチャンスをぜひお見逃しなく。
『青鬼』基本情報
タイトル名 | 青鬼 |
---|---|
ジャンル | 謎解きホラーアクションアドベンチャー |
価格 | 未定 |
対応機種 | Nintendo Switch™ /PC(Steam) |
公式X | 『青鬼』公式X |
権利表記 | © LiTMUS / noprops / Game Studio Inc. |
この記事の執筆者 | |
---|---|
八羽汰わちは | |
はちわたわちは(回文)メディアへの憧れとゲーム好きが融合してゲームライターに。 幅広く手を出すが一番好きなジャンルはJRPG。特技はヒトカラ12時間。 |