マジック:マナストライクインタビュー_アイキャッチ

好評配信中のモバイルRTS『マジック:マナストライク』の開発統括ディレクターであるジャン・ヒョニル氏にメールインタビュー!本作の魅力や今後のビジョンなどについて余さず語って頂きました。

はじめに

マジック:マナストライク_概要

今年1月29日に全世界で正式リリースされるや否や、戦略性溢れる練り込まれたゲームシステムと、「マジック:ザ・ギャザリング」ワールドにこだわり抜いた世界観が大好評の『マジック:マナストライク』。AppMediaではこの度、そんな話題沸騰の『マナスト』開発統括ディレクターにメールでお話を伺いました!

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開発統括ディレクター プロフィール

マナストインタビュー_開発ディレクター ジャン・ヒョニル 氏
開発会社ネットマーブルモンスターのディレクターで、『マジック:マナストライク』の開発統括ディレクター。Angling The Giantを開発したTaff Systemで経歴をスタートし、DO Online, Kick Off, Prius Onlineなど、多様なジャンルのゲーム開発に携わる。自身も96年から「マジック:ザ・ギャザリング」を楽しんできたTCGグループ/ファンタジーカード同好会のオペレータとして活動。長年のプレイ経験から、海外の大会にも参加した経験があり、GP参加のために頻繁に訪日をしていた。「子供の頃から「マジック:ザ・ギャザリング」をプレイし、憧れたIPであるため、今回の『マジック:マナストライク』のプロジェクトは、特別な意味があり、負担やプレッシャーも大きかったが、日本を含む全世界の多くのプレイヤーにゲームを楽しんでいただきたい」と語る。

『マナスト』の魅力について

——改めて『マジック:マナストライク』はどのような作品かお聞かせください。

ジャン:『マジック:マナストライク』は、世界初のTCG「マジック:ザ・ギャザリング」のカードを使用したリアルタイム対戦戦略ゲームです。既存のカードゲームのファンだけでなく、対戦やMOBAジャンルのゲームをプレイしたことがある方なら誰でも簡単にお楽しみいただけます。

プレイヤーは好みのプレインズウォーカーを選択し、それに合った色のカードでデッキを構成して相手と1:1で実力を競います。

マジック__マナストライク_対戦画像

▲ RTS特有の緊迫感がたまらない

——本作におけるキーコンテンツは何でしょうか?

ジャン:ランキング戦です。『マジック:マナストライク』はPVPベースのリアルタイム戦略ゲームであるため、相手との実力を競って、その結果に基づいて順位を表示するランキングが一番重要なコンテンツだと思います。

『マジック:マナストライク』は、簡単に始めることができますが、プレイするほど増えていく戦略の深さと多様性がこのゲームの強みです。5つの色別デッキの構成と、プレインズウォーカーを効率的に維持させ、独自の能力を活用しつつ、戦闘を導いていくところがプレイをさらに楽しく戦略的にさせると考えています。

マナストインタビュー_マッチング

▲ 世界中のプレイヤーとの対戦こそ『マナスト』一番の醍醐味

——リリースから3週間ほど経ちましたが、ユーザーさんから反響はいかがですか?

ジャン:現状は悪くないと思います。『マジック:マナストライク』はジャンル的にPVPゲームなので、短期的な成果よりもっと長いスパンでプロジェクトを見据えています。現在、十分なユーザーを基に信頼性の高いマッチングができており、開発チームが意図した方向にプレイしていただけていると思います。

一部のカードバランスなど不十分な部分があったりしますが、多くのユーザーの方々の意見や様々な指標の分析に基づいて、より良いパフォーマンスをお見せできるように努力しています。

——記事をご覧の方々の中にはまだ未プレイの方もいらっしゃると思うのですが、本作をどういったユーザーの方にプレイしてもらいたいですか?

ジャン:『マジック:マナストライク』は、「マジック:ザ・ギャザリング」の独特の世界観とキャラクターやIPを知らない人にも十分に魅力的で、最初から簡単にプレイすることができます。

また、プレイを重ねるごとに様々な戦略を駆使して、より素晴らしいプレイを楽しむことができるようになります。このような部分がIPファンだけでなく、一般ユーザーにも楽しくプレイすることができる点だと考えています。

——モバイルで楽しめるRTSは市場に数多く存在していますが、既存のRTSと比較した本作の違いやセールスポイントはどういったところにあるのでしょうか?

ジャン:英雄キャラクターであるプレインズウォーカーと5種類の色のマナで作る戦略性です。『マジック:マナストライク』では、原作の世界観を反映して白、青、黒、赤、緑の5つの色を元にカードが製作され、プレイヤーはプレインズウォーカーと同じ色のカードで自分だけのデッキを構成します。

マナストインタビュー_プレインズウォーカー

▲ 色によって戦い方は全く異なる

それぞれの色は、互いに干渉しない独自の特徴と戦略があり、プレインズウォーカーのスキルにも影響を与えることになります。これらの要素を介して、プレイヤーは対戦相手とバトルをする際に、多様な戦略があることに魅力を感じると思います。

ゲーム開発について

——本作『マジック:マナストライク』の開発に至ったきっかけ・経緯についてお聞かせください。

ジャン:歴史のある「マジック:ザ・ギャザリング」のプレインズウォーカーとクリーチャーが、カードの世界を飛び出し3Dで目の前に召喚されて戦ったならばどうだろう?原作のファンなら一度は考たことのあるこの想像を実体化してみたかったのです。

また、原作IPのウィザード・オブ・ザ・コースト(以下:WotC)も「マジック・ザ・ギャザリング」の今後の展開について様々な方向性を検討しており、モバイルプラットフォームで「マジック・ザ・ギャザリング」の新しい表現を考え出すためとしてWotCからアプローチを受けました。

TCGという既存のゲーム性を維持したまま、これらの想像を表現することはとても困難だと思いましたが、ネットマーブルと開発会社であるネットマーブルモンスターの経験に基づき上手く作れるジャンルはリアルタイム戦略対戦だと考えました。以前に開発を手掛けた『Star Wars:Force Arena』も似た感じの対戦ゲームでしたが、そこで得たノウハウを活用できると思いました。

——ゲームを制作する上で根幹となるコンセプトはありましたか?

ジャン:「マジック:ザ・ギャザリング」の多くのカードの中から、IPの個性と特徴を維持しながら、『マジック:マナストライク』だけのゲームの世界観にふさわしいカードを選定し、能力を実装する点が最も困難でした。

夜明けのレインジャー

▲「狼男への変身」という“肝”をしっかりと再現

原作で有名なカードを使用すると、ファンの期待に応えるため、能力と使用コストなどの細かい部分で完璧な考証が必要になりました。しかし、別ジャンルである『マジック:マナストライク』で、これらの微細な設定を完全に維持するのは大変難しく、最終的にカードの中で最も重要な特徴を最大限強調し、バランスに影響を与える要素は自由に使用することを決めました。

例えば、「夜明けのレインジャー」と「血統の守り手」は、原作とは異なる攻撃力と召喚コストを持っていますが、それぞれ狼男と系統の王に変身する特徴は維持しており、この様な部分は、ゲームをより興味深く作る要素になったと思います。

——本作はネットマーブルとウィザーズ・オブ・ザ・コースト社がタッグを組んで制作されましたが、それぞれどのような役割を担われていたのでしょうか?

ジャン:『マジック:マナストライク』の開発には、WotCが深く関わっていますが、このゲームを開発するにあたり、WotCとのコミュニケーションを積極的に行ってきました。

WotCには、毎週のビデオ会議で、念入りにゲームに関する全ての問題を共有し説明をしました。開発の細かい方向性までは提示しませんが、IPホルダーとしてアートデザインの監修や、実装するにあたって、『マジック:マナストライク』の新しいコンテンツテーマに合ったプレインズウォーカーを提示してもらったり、開発チームが設定した能力や内容が「マジック:ザ・ギャザリング」の世界観に反しないかを何度も確認してもらいました。

▲ 両社の良好な関係はインタビュー動画からも滲み出ている

新しいビルドが完成するたびに共有を繰り返し、社内で楽しくプレイをしている姿を写真や映像を通じて提供して、今まではカードだけの世界にいたプレインズウォーカーが、カードの世界から飛び出し3Dで表現されていく過程をお互いに非常に楽しみ合いました。

——本作の特徴として1試合にかかる時間が短く、スピード感を強く感じるゲームテンポであることが挙げられると思うのですが、こちらに関しては明確な意図があったのでしょうか?

ジャン:時間を費やすゲームより、短くプレイできるゲームを目指しました。リアルタイム対戦ゲームはジャンルの特性上、プレイ時にかなりの集中力を必要とします。一瞬の判断ミスが負けにつながるからです。長いプレイ時間に起因する疲労をプレイヤーに感じて欲しくなかったのです。

マナストライク_ラスト1分

▲ メリハリのある展開による、短時間かつ密度の濃い体験

また、ゲームプレイが長い分、敗北した場合の喪失感も大きくなることは、プレイヤーの楽しみの邪魔になると考えました。

——「MTG」で活躍したカードたちが生き生きと動く本作ですが、3Dグラフィックをはじめとした本作のビジュアル面についてお聞かせください。

ジャン:アート的な部分では、原作が2Dカードゲームなので3Dで表現するためには難しい点が多くありました。特にファンの中で有名なカードの場合、デザインが複雑すぎて3Dに適していない、または画像だけでは攻撃の形や動きを想像することができない場合が非常に多く、IPホルダーのWotCと多くの意見を交わしながら、作業を進めてきました。

マナストインタビュー_プレビュー画面

▲ プレビュー画面に感動したユーザーも多いことだろう

企画的には、「マジック:ザ・ギャザリング」の5つの色の特徴をプレインズウォーカーと限定されたカードだけで表現する部分にかなり多くの時間をかけました。例えば赤の速攻火力や、黒の特徴であるアンデッドと呪いなどの能力を視覚的にどのように表現するべきか、どうすれば原作の世界観を維持し表現できるのか、とても苦労しました。26年の歴史のあるカードの世界観を最大限美しく表現することにこだわりました。

——先行プレイをさせて頂いた際、カードの入手方法が極めて多岐に渡っていたことが印象に残っているのですが、宜しければマネタイズに関して可能な範囲でお聞かせ願えれば幸いです。

ジャン:プレインズウォーカーのカードの場合は、ゲームプレイに不可欠な要素であるため、可能な限り制限なしで提供したいと考えました。

マナストインタビュー_報酬

▲ バトル報酬以外にも入手方法が複数存在する

ビジネスモデル等も考慮しましたが、健全な対戦環境のためにプレイヤーが『マジック:マナストライク』内の複数のコンテンツをまんべんなく楽しむことができ、自然に必要なすべてのカードを獲得することができる環境を目指しました。

——26年もの歴史を持つIPをRTS化するに当たっては大変なプレッシャーがあったことと思われますが、本作の制作秘話などがあればお聞かせください。

ジャン:子供の頃から長く「マジック:ザ・ギャザリング」のファンだったので、『マジック:マナストライク』の開発はとても楽しかったですが、それ以上に相当なプレッシャーがあったのも事実です。幸いなことに私の他にも開発チームには、「マジック:ザ・ギャザリング」が好きで、長い期間プレイしてきた者が多く、大きな助けになりました。

WotCに複数の次元やプレインズウォーカーに対して気になる点を確認しながら『マジック:マナストライク』にふさわしい内容を確立し、これを3Dで作っていく過程は、非常に興味深いものでした。開発チームはすべての新しいビルドが出てくるたびに、競ってプレイし、様々な意見を交わながら楽しく開発ができたと思います。

今後の展望について

——開発統括ディレクターから見た本作の「こだわり」は何でしょうか?

ジャン:『マジック:マナストライク』は「マジック・ザ・ギャザリング」とは全く異なるジャンルのゲームです。原作を知っておられる方々に同じゲーム性を提供するのは意味がないと判断をしました。リアルタイム対戦ジャンルとしての完成度を維持しながら、「マジック・ザ・ギャザリング」の感性を一番に伝えたいと思いました。

マナストインタビュー_オープニング

▲ ダウンロード直後から味わえる大興奮

単にプレイヤーに世界観をビジュアル的に見せるもので終わるのではなく、プレイしながら「マジック・ザ・ギャザリング」の世界観やメカニズムを自然に感じられるようにしたいと考え、「マジック・ザ・ギャザリング」の多くのカードのメカニズムを検討し、『マジック:マナストライク』にふさわしい形に変更しようとしました。このような部分が少しでも感じてもらえたらと嬉しいです。

——お話しできる範囲で構いませんので、『マジック:マナストライク』の今後の展開についてお伺いできれば幸いです。

ジャン:「マジック・ザ・ギャザリング」のカードパックのリリースの流れに合わせたアップデートと1ヶ月単位のシーズンごとの更新が行われる予定です。新規シーズンごとに新しいプレインズウォーカー、スキンのカードなどが発売される予定であり、利用者の意見を積極的に取り入れ、バランスの変更と継続的な新規コンテンツの開発を進める予定です。

4月には、新規セット「イコリア」が登場し、「イコリア」のコンセプトに合わせて新たな戦闘フィールドとスキンが追加される予定です。 また、年末までに「イコリア」、「ゼンディカー」などの正式セットのほか、「タルキール覇王譚」のような過去の情報も更新される予定ですので乞うご期待ください。

——近年日本国内においても盛り上がりを見せるeスポーツですが、オフラインイベントや賞金付きの大会といったeスポーツ関連の施策を取られる予定はありますか?

ジャン:もちろんです。プレイユーザーの基盤が十分に構築され、eスポーツに十分な量のカードがリリースされたら、eスポーツやその他大会を通じて、長期的により多くのプレイヤーに楽しさを提供したいです。

短期的な結果ではなく、毎年大規模で大会を開くことができるほど、愛されるゲームになることが希望であり、目標です。

——最後に、本作を楽しまれているファンの方々にメッセージをお願いします。

ジャン:『マジック:マナストライク』は「マジック・ザ・ギャザリング」の魅力的な世界を他のジャンルのゲームで個性的に表現したとても面白いゲームです。原作のファンだけでなく、原作を一度も経験したことのないゲーマーにも十分に魅力的なゲームとなっています。

「マジック・ザ・ギャザリング」の様々な要素とプレインズウォーカーを3Dで実装し、リアルタイム対戦ゲームとしての戦略性の楽しみも十分です。多くの方が興味を持って楽しくプレイしていただきたいと思います。ありがとうございました。

本インタビュー内容は2020年2月20日のものとなります。

『マジック:マナストライク』の基本情報

アプリタイトル マジック:マナストライク
配信日 2020年1月29日配信
ジャンル リアルタイム戦略対戦
対応OS iOS/Android
事前登録 あり
価格 基本プレイ無料/アイテム課金制
開発 ネットマーブル
公式サイト 『マジック:マナストライク』公式サイト

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