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王道ファンタジー世界で自由な冒険を楽しむオープンワールドアクションゲーム、『ドラゴンズドグマ 2』を紹介!

『ドラゴンズドグマ 2』公式サイト

『ドラゴンズドグマ 2』ゲーム紹介

独自性あるシステムが特徴のオープンワールドアクションRPG

『ドラゴンズドグマ 2』は、カプコンより2024年3月22日にリリースされたオープンワールドアクションRPGだ。シリーズ1作目『ドラゴンズドグマ』は2012年に、拡張版である『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』は翌2013年に発売。

その後はオンラインゲームや小説・漫画などコンテンツを広げつつ、家庭用ゲームにおける完全新作が望まれていた。そのため今回発売された本作は、初代から12年の歳月を経た続編ということで正しくファン待望のタイトルだと言える。

「ドラゴンズドグマ」シリーズは、王道ファンタジーを彷彿とさせる中世風の世界観で、「モンスターハンター」や「デビル メイ クライ」などアクションゲームに定評のあるカプコンらしい練り込まれたバトル要素が楽しめるタイトルだ。

一番の特徴は「ポーン」と呼ばれる従者を引き連れて旅ができることで、ソロプレイであるにも関わらず仲間と協力するような共闘感が味わえることにあるだろう。

筆者は前作をプレイしていないが、『ドラゴンズドグマ 2』における唯一無二の冒険感に惹かれてプレイをはじめた。そのため今回は、シリーズに初めて触れたプレイヤーという立場でレビューをさせていただければと思う。

『ドラゴンズドグマ 2』ストーリー概要

プレイヤーを引き込む竜と覚者を巡る物語

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「ドラゴンズドグマ」シリーズの特徴として、主人公が竜に心臓を奪われ竜を打倒する宿命を負った「覚者」であることが挙げられる。本作も例外ではなく覚者として目覚め、プレイヤーは人間の王国「ヴェルムント」を治める伝説の存在“覚者王”として扱われることになる。

しかし物語冒頭で、今まで王国で権力を握ってきた公妃ディーサは突然現れた「王」をよく思わず、その陰謀によって主人公は記憶を消され、王でありながら奴隷へと身をやつしてしまうという展開が描かれる。

そんな折、謎の人物が現れたことをきっかけに主人公はヴェルムントへ帰還するも、ディーサによって偽の“覚者王”が擁立されていたという場面から物語はスタートする。

ストーリーの当面の目標は、このディーサと「偽覚者王」の問題を排除すること。2人への復讐を軸として動き出す“下剋上物語”と、政治劇に巻き込まれた主人公がどうなってしまうのかというハラハラ感で、物語はシンプルながらも非常に先が気になるものになっている。

また、前作には登場しなかった「獣人」が登場し、ヴェルムントと獣人の国「バタル」の対比が興味深く表現されている他、独自の言語を使用するエルフが住む集落「聖樹の里」が存在するなど、多様な種族が描かれる本作。

人間だけではない異なる種族や文化が精緻に描かれることで、世界観の奥深さ、ファンタジーとしての説得力が増している。

そして前作の世界観や時系列とは直接的な繋がりはなく、「平行世界の1つ」だと明言されているため、筆者のように前作をプレイしていなくても作品に入門しやすいのもうれしいポイントだ。

『ドラゴンズドグマ 2』キャラクター・世界観

魅力であるポーンシステムは、プレイヤー同士のゆるい繋がりを生む

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『ドラゴンズドグマ 2』を彩る「ポーン」システムは、本作の独自性になっている。各プレイヤーは(メイン)ポーンと呼ばれる従者1名を自由自在にクリエイトでき、世界を一緒に巡ることが可能。

ジョブも覚者専用の一部を除いて就くことができ、ファイターやウォリアーのようなタンク職であれば率先して守ってくれ、メイジやソーサラーといった魔法職であれば覚者の体力を回復してくれたり、強力な攻撃魔法で敵を一掃してくれたりする。

性格も支援重視の思考を行う「献身」や、防御や回避を優先して行動する「才略」など自由に設定でき、NPCとしてだけでなく舞台に息づく仲間であり、頼れる冒険の相棒だ。

unnamed (1)▲主人公である覚者も、細かくキャラクタークリエイトが可能

本作は最大4人パーティーで進行できるが、主人公とメインポーン以外の2名は他プレイヤーが作成したポーンを「サポートポーン」として雇うことができる。この仕様は単なる人数合わせや戦力強化に留まらず、プレイヤー同士のゆるやかな繋がりとして機能している。

たとえば持ち主である他のプレイヤーが、あるサブクエストをクリアしていたり、どこかの宝箱を発見していたりする場合、サポートポーンはその出来事に関する知識があると見なされ、道中を先導して案内してくれるのだ。

『ドラゴンズドグマ 2』にオンラインマルチプレイは存在せずソロでの冒険となるが、随所で感じられるポーンという存在から受け取る温かみは、プレイヤーの旅路を照らす道標になるだろう。

image8▲「森語通訳」の能力を持つポーンを雇用すると、言葉の通じないエルフとも会話が可能

だからこそと言う話になるが、ポーンのやり取りに億劫になってしまう「竜憑き」システムは本作にはあまり馴染まなかったように感じる。

「竜憑き」とはポーンからポーンへ感染する流行り病で、徐々に目が赤くなったり覚者の指示に従わなくなったりする。

その上症状が末期になった状態で宿屋に泊まると、街のNPC全員を殺害するというイベントを引き起こす。死亡したNPCは復活させることも可能だが手に入りにくいアイテムが必要で、それを住民全員に施すというのもあまりに気が遠くなる話である。

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感染原因や条件はいまだハッキリとしておらず、自分のメインポーンが異界(ほかのプレイヤーの世界)に訪れた際に、「竜憑き」を持ち帰ってくることもあるのだ。

サポートポーンを雇うたびに感染していないかチェックする作業が発生し、プレイヤー側にメリットもないため、筆者としては本作における数少ない瑕疵として感じられた。

『ドラゴンズドグマ 2』システム・バトル面

制限が面白さと没入感を引き立たせるスパイス

本作のシステムは一言で言うと「不便な部分も多いが、だからこそ強調される唯一無二の冒険感・没入感が魅力」となるだろう。

たとえば最近のゲームであればデフォルトで実装されていることも多いファストトラベルは、貴重な消費アイテムを使用しないとできない。

ほかにもキャラクターごとに重量制限が存在したり、せめて楽に移動しようと牛車に乗り込むと道中で大型の敵に破壊されることがあったりと、本作は決して快適で現代的なタイトルとは言えない。

image2▲本作の夜は周囲が何も見えないほどに暗く、拠点やキャンプを見つけた際の安心感を強調している

それなのに不便さが魅力に繋がっている?と思う読者もいるかもしれない。説明すると『ドラゴンズドグマ 2』は、制限があるからこそ冒険が面白いのだ。

たとえばファストトラベルが気軽にできないからこそ、徒歩で移動しなくてはならない。そうなるとプレイヤーの心情としては「毎回同じルートで目的地に向かってもつまらないから、いつもと違う道で行ってみよう」という気持ちが自然に沸く。

そうなると冒険ごとに違う景色を見ることができ、その探索で偶然秘められた洞窟や、隠されたアイテムを見つけることもあるだろう。

毎回「なにが起こるかわからない」状況が起こり得る土壌があるからこそ、冒険に新鮮味が生まれている。言うなれば通常のRPGタイトルのように冒険の結果として、秀逸なシナリオや迫力のイベントシーンなどの報酬があるのではなく、冒険の過程自体がプレイヤーにとっての報酬であり面白さのコアなのだ。

image1▲冒険中のキャンプで食事をとると、豪華な実写ムービーが挿入される

そしてカプコンらしいバトルの面白さが健在なのもうれしい点。ジョブは全10種類のなかから選択することができ、それぞれ使用できる武器も違うが、バトルにおいても先述した「制限」が活きている。

ジョブによって操作感もまったく異なるため、今のジョブに飽きたから次は〇〇になってみようかと選択でき、プレイヤーはバトルに飽きることなくゲームを進められる。

またロックオンや回避が実装されていないのも本作の特徴。当然ジャスト回避やパリィも存在せず一体の敵を倒すのにも苦労することになるが、泥臭く勝利を掴むために「いかに攻撃を受けないで有利な状況に持ち込むか」という思考を回すことで、プレイヤー自身の力量で勝てたという実感が湧きやすく、ボタン連打をするだけでいいゲームとは比べ物にならない達成感を味わえる。

そして大型の敵の背中によじ登ったり、吊り橋を破壊して落下させたりと環境を利用して勝利を掴むことができる点もポイント。

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毎回バトルが違う展開になり〇〇をしていれば勝てるといったセオリーが存在せず、探索と同じく「なにが起こるかわからない」点も本作の面白さに寄与しているだろう。

『ドラゴンズドグマ 2』プレイ感想

「ドラゴンズドグマ」でしか味わえない冒険体験

今回「ドラゴンズドグマ」シリーズにはじめて触れてみたが、筆者の評価としては「不満点はあるが、それがかすむほどの魅力が存在する」と感じた。レビューで言及した没入感とトレードオフの不便さは人によっては、欠点になり得る可能性も秘めている。

さらに記事内で言及した「竜憑き」以外にも、中盤以降ゴンドラに乗っている際にグリフィンに急襲して全滅するのは理不尽すぎないか、隠しエンディングで行ける裏世界に時間制限があるのはつらいなど、手放しで褒められる部分だけとは限らない。

だが制限から生まれる冒険自体の面白さと、世界へ順応していき徐々に冒険のルーティンが確立されていく過程など「ドラゴンズドグマ」でしか味わえない体験も多い。

ファンタジーもののオープンワールドは本作以外にも多数存在するが、そのなかで決して埋もれない魅力を放っており、『ドラゴンズドグマ 2』をプレイする意義も大きいと感じられた。

上記した欠点も今後のアップデートで改善されていくかもしれない。「唯一無二の自分だけの冒険がしてみたい」、そう思うプレイヤーには間違いなく薦められる一作と言える。

©CAPCOM All rights reserved.

『ドラゴンズドグマ 2』公式サイト

この記事の執筆者
SIGH_icon SIGH
フリーのゲームライター。RPGとADVと猫が好き。
人生を変えたゲームは、科学アドベンチャーシリーズの『CHAOS;CHILD』