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注目の新作ゲーム『最恐 -青鬼-』の先行プレイレポートをお届け。先行プレイで判明した本作の魅力や注目ポイントをご紹介!

『最恐 -青鬼-』購入ページ(Steam)

『最恐 -青鬼-』ゲーム紹介

人気ホラーゲームシリーズの最新作

『最恐 -青鬼-』はLiTMUSが手がけるホラーゲーム「青鬼」シリーズの最新作で、2024年4月26日にPCゲームプラットフォームSteamでの発売が予定されている。初代「青鬼」はnoprops氏によって制作され、2004年に公開されたフリーゲーム。動画投稿サイトの実況プレイ動画などを通じて人気を博し、その後はスマートフォンアプリで続編がリリースされるほか、実写映画化をはじめコミック、テレビアニメなど多岐に渡る展開をしている。

近年のシリーズ展開はモバイルアプリが主で、『青鬼オンライン』や『青鬼X』がリリースされており、どちらかと言えばカジュアルな印象が強かった。しかし今回はオリジナル版同様のPCゲームかつ「最恐」の名を冠したホラーとしてリリースされるのは、ファン待望だと言えるだろう。『最恐 -青鬼-』の特徴は、今まで2D俯瞰視点で描かれていた「青鬼」が、3Dの一人称視点へとゲームシステムが一新されている点である。今回は先行プレイする機会をいただいたので、記事を通して『最恐 -青鬼-』は「青鬼」の新作として、どのような体験を届けてくれたのかについてお伝えしたい。

『最恐 -青鬼-』ストーリー紹介

マルチエンディングが存在するリプレイ性の高いストーリー

本作のストーリーは、突如行方不明となった姉を探す妹として、姉が赴いた謎の洋館に向かうことからはじまる。探索を進めていると突如「青鬼」という怪物が出現して、妹を追い詰めていくが、勇気をふり絞り散りばめられたアイテムや手がかりを集め、館に秘められた謎を解いていくのが当面の目標。

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一定の謎解きを終えるごとにチャプターが進行し、洋館の内部構造も変化する。それだけではなくゲームには全18の階層が存在し、一軒家や森のなかといったロケーションを探索することも可能で常に新鮮な気持ちでプレイすることができる。ストーリーは全三章の構成で、ゲームを進めていくことで姉の行方や館の正体、そもそも主人公は誰なのかといった謎を解き明かしていく。プレイ結果によってエンディングが分岐するため、周回プレイを通して『最恐 -青鬼-』に対する理解を深められるとともに、RTA方法やルート分岐について考えるのも楽しいだろう。

『最恐 -青鬼-』キャラクター紹介

過去作と変わらぬ恐怖をもたらす「青鬼」は健在

本作におけるキャラクターで忘れてはならないのが、タイトルにも冠されている「青鬼」だ。「巨大な頭と黒々とした眼球を持つ不気味な青色の怪物」の姿のままで、今までのシリーズ同様の恐怖を感じさせてくれる。そしてプレイヤー=主人公で、いなくなった姉を探す妹という構成である以上、今までのシリーズ作で登場した「ひろし」や「たけし」という、個性豊かなキャラクターたちは存在しない。そのため既存作のような登場人物同士の掛け合いや、関係性などに期待している人は少々肩透かしを食らうかもしれない。しかしその分、一人称視点で「妹」自身にリンクしてプレイできると同時に、3Dで描かれるリアルな世界で自分以外の人間と出会わないという心細さが、本作への没入感を高めているとも言える。

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『最恐 -青鬼-』システム紹介

3D×一人称視点が「青鬼」らしい恐怖体験を強調する

システム面ではじめにお伝えしたいのが、本作には「変わらない青鬼らしいホラーや謎解き体験」と、「新たに実装された恐怖を強調する要素」の2点が混在した魅力があるということだ。筆者は「青鬼」の魅力は迫りくる恐ろしい青鬼から逃げのびながら、洋館や廃校などの閉鎖空間で慎重に謎を解いていくという緊迫感だと考えている。そして俯瞰視点から一人称視点に変わったことで、その緊迫感がさらに強調されているのだ。

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一人称視点ホラーの利点はプレイヤーと操作キャラクターの視点が同一であることと、目の前の景色しか見えないということである。本作はしゃがむ・振り返るというアクション要素が加わったことで、見つからないようにソファーや棚にしゃがみこみながら、青鬼の位置と動きを把握するという「ステルス」重視のゲーム性へと変化している。これが見つからないように謎解きをして、見つかれば大ピンチに陥ってしまうという「青鬼」の遊びと相性がよい。基本は壁や棚に隠れながら、FPSゲームのようにフィールドの角をクリアリングして、安全を確かめながら進めていく。ただどんなに注意していてもエリアの照明が絶妙に薄暗く注意していても青鬼の存在を見落とすことがあり、角を曲がったら目の前の青鬼と鉢合わせることも起きうる。筆者も同様の状況に陥ったときは、大の大人が「ギャー!」と情けない悲鳴をあげてしまった。なおゲーム操作はキーボードとゲームパッド両方に対応しているため、プレイスタイルに応じて使い分けるといいだろう。

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またマップがエリアごとに区切られているわけではなく、3Dで表現された一つながりフィールドなのも特徴。そのためお馴染みの画面を切り替えることで、青鬼とすれ違って回避するという技が使えず、体感であるが従来よりも難易度は上昇していると感じた。またサウンド面もこだわられており、主人公が恐怖に震える呼吸や走った後の息切れ、そしてひたひたと周囲から聞こえる青鬼の足音が、ホラー体験を倍増させている。もちろん「見つかったときのBGM」も実装されており、探索中にBGMが鳴り出したときの焦燥感はシリーズ屈指である。

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謎解きについては、追加アクション「覗き込む」の存在が象徴しているように、過去作よりもプレイヤー自ら手がかりを見つけなければならない状況が増えていると感じた。覗き込むは遠くの景色や手元のオブジェクトをズームできる機能で、実際にロッカーの内部に書かれた手がかりや、床に小さく描かれたヒントを見つけるのに役立った。それらのヒントは光ったり枠線がでたりなどの強調がされている訳ではなく、初見では見落としてしまう人もいるかもしれないが、その分手がかりをゲットできたときの喜びが大きい。そして一人称視点だからこその「自分で見つけられた」という快感が、ゲームへのモチベーションと没入感を高めている。

ネタバレになるため詳細は控えるが、謎解き自体の難易度はやさしめで、エリアの探索をくまなく行えば直感的に「何が問われているのか」が理解できるようになっている。それとチャプター進行時に手に入るテキストが間接的なステージのヒントになっているため、もし詰まったらそれを見返すとよいかもしれない。また3D化の恩恵で所持アイテムも立体的になり、360度回転できるようになった。そのためアイテム自体に仕掛けが施されており、一見何の変哲もないように見えるが裏側を見ると……というものも存在するのは面白い。

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▲何の変哲もない操作説明ボードに見えるが、ひっくり返すと……。

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『最恐 -青鬼-』先行プレイ感想

オリジナルのエッセンスを引き継いだ意欲作

『最恐 -青鬼-』の先行プレイを通して感じたことは、「最恐」のタイトルに偽りはないということだ。本作を開発したLiTMUSのCXOである戸塚友氏は、X(旧Twitter)にて「オリジナルの青鬼のもつスピリットを自分なりに反映させた」と語られている。その言葉どおり原作のホラーと謎解きというエッセンスを大切にしながらも、3Dで描かれる一人称視点ゲームという新たな要素で、「青鬼」らしい恐怖体験を強調することに成功している意欲作だ。

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マルチエンディングに起因するリプレイ性の高さや、アクション面が強化されたことによるRTAとの相性の良さから、やりこみ要素もパワーアップしておりゲーム実況でも盛り上がること間違いなしだろう。今後新たな「青鬼」のスタンダードになっていくのではないか、そう思わせてくれる作品になっていた。『最恐 -青鬼-』はPCゲームプラットフォームSteamにて2024年4月26日発売予定。価格は1200円(税込)となっている。本記事を読んで気になった方はぜひチェックしてほしい。

『最恐 -青鬼-』基本情報

タイトル名 最恐 -青鬼-
ジャンル 謎解き3Dホラーアクションゲーム
価格 1200円(税込)
対応機種 PC(Steam)
公式X 『青鬼シリーズ』公式X
権利表記 © LiTMUS / noprops

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この記事の執筆者
SIGH_icon SIGH
フリーのゲームライター。RPGとADVと猫が好き。
人生を変えたゲームは、科学アドベンチャーシリーズの『CHAOS;CHILD』
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