スクウェア・エニックスが手がけるNintendo Switch用ソフト『ブレイブリーデフォルトII』の「Final Demo」プレイレポートです。詳しいゲーム内容や実際に遊んでみた感想について掲載しておりますので、是非ご覧ください。
はじめに
2021年2月26日発売の『ブレイブリーデフォルトII』は、独創的なターン制バトルと魅力的なキャラたちが織りなす重厚な物語で人気のブレイブリーシリーズ最新作だ。本作はプラットフォームを3DSからNintendo Switchへと移し一層の期待が寄せられている。そんな本作を、製品版と極めて近しい仕様で思いっきり楽しめるのが、最終体験版「Final Demo」である。
「Final Demo」は、製品版の一部を切り出してまとめた特別な体験版となっており、時間制限5時間という縛りはあるものの、製品版とほぼ同じ体験が楽しめる。本レポートでは、この「Final Demo」を実際にプレイした筆者が、『ブレイブリーデフォルトII』が持つ様々な魅力について、できる限り詳しくお伝えしていきたいと思う。
ゲーム紹介
ゲームを起動してまず目に飛び込んでくるのは、何と言ってもその温かみのあるグラフィックだ。昨今の流行であるフォトリアルとは一線を画した幻想的な作風ながら、ハードがNintendo Switchになったことでその美しさは明らかに際立っている。街中を探索するときなどは、まるで絵画の中を歩いているような錯覚すら覚えた。
ファンタジーのど真ん中をいくような世界「エクシラント大陸」を巡る、主人公の船乗り、亡国の王女、学者とその傭兵による4人旅という“これぞJRPG”というストーリーが展開される本作。今回はそんな彼らの旅立ち…ではなく、その次のシーンに当たる「第1章」の前半を楽しむことができた。
「Final Demo」で中心的に描かれるのは、渇水の国サヴァロンで起こっている異常事態の謎。立ち塞がるジョブの力をもつ宝石「アスタリスク」所持者との鍔迫り合いは手に汗握るもので、1章の一部という僅かな筋書きだけでも、本作がRPGの“ど王道”をいく作品であることが容易に見て取れた。イベントシーンに関してはしっかりとフルボイスな点も心憎い。
加えて本作では、メインストーリー以外にも複数の「クエスト」が用意されている。それらはただ単に掲示板に「◯◯をN体狩ってこい」と貼り出されているわけではなく、出会った人々との触れ合いの延長線上にあるものばかりで、(結果的にすることは同じだとしても)世界観への没入感の高まりには雲泥の差がある。
ネタバレ防止のためストーリーに関してはこの辺にしておくとして、ここからはおそらく読者の皆様が最も気になる点であろう「バトルシステム」について説明していこう。本作ではシンボルエンカウント方式を採用しており、モンスターに接触することでバトルが始まる。
背後から接触すれば先制攻撃でいきなり攻勢をかけることができるが、逆に敵に後ろを取られれば後手に回ってしまうため、可能な限り自分から背後をとって戦闘に入ることが望ましい。なお強敵は赤く光り、弱い敵は逃げていくため、シンボルを見るだけで大体の強さがわかるようになっている。
ブレイブリーシリーズが多くのファンに支持されている理由の一つに、シンプルながらも奥深い戦闘が挙げられる。画面をひと目見ればわかるとおり、本作の戦闘は基本的にはオーソドックスなコマンドバトルなのだが、組み込まれた複数のギミックがお馴染みのバトルに強い戦略性をもたらしている。
中でも代表的なのが、タイトルにも冠している「ブレイブ&デフォルト」というシステムである。本作にはBP(ブレイブポイント)という概念が存在し、これを消費することで行動するのだが、「デフォルト」というコマンドを選択すれば、防御に徹す代わりにBPを貯めることができる。
そうして貯めた力を解放するのが「ブレイブ」だ。本作ではなんと、BPを消費することで最大4回まで行動することができる。敵の弱点をひたすら狙いファイアを4連発するもよし、たたかう→二段斬り→気功波→アイテムと、手を替え品を替え戦ってもよしと、取り得る選択肢の幅がそのまま遊びごたえへと繫がっている。
そしてユニークなのは、このBPは「前借りができる」という点で、例えば戦闘開始時からいきなり4回行動ができたりする(その場合は−3BPになる)。当然BPがマイナスで行動順が来た場合はスキップされるため、倒しきれる自信があるなら借金覚悟でぶっ放すのも全然アリだが、万一耐えられてしまえば目も当てられない惨状になってしまう…というのが悩ましくも面白い。
無論「ブレイブ&デフォルト」だけがバトルの全てではない。ド派手な演出に思わず目を奪われてしまう必殺技や、一辺倒な攻めを許さない反撃「カウンター&ジャマー」、重ねがけできる補助効果、ターンゲージとコーションマークによる行動順の類推など、その奥深さは突き詰めたらキリがないほど。勝負の行方は、キャラの強さと同等かそれ以上に、プレイヤーの手腕に委ねられているのだ。
最後に、主なゲームシステムについて紹介していこう。重量の概念のある装備品や、「未取得の宝箱の数がわかる」と言った便利なサポートアビリティの存在、コレクター心をくすぐられる各種図鑑など色々あるが、本作における最大の特徴とも言えるのが自由度の極めて高いジョブシステムだ。
本作では1キャラにつきメインジョブとサブジョブを持っており、例えば主人公は「ヴァンガード」と「すっぴん」を務めているのだが、これはあくまで初期設定の話。本作では二つのジョブをプレイヤーが自由に設定できるのだ。白魔道士とモンク、吟遊詩人とシーフといったように、その組み合わせによって無限の可能性が生まれる。
前述の「アスタリスク」所持者を倒すことで就けるジョブが増えていくため、長編RPGにありがちな物語が進むにつれて戦闘に飽きていく…ということもなく、むしろ出来ることがどんどん増えていき常に新鮮さを感じられることだろう。キャラクターのレベルとは別にジョブ毎のレベルの概念もあるため、やり込み派にとっても非常にやりごたえのあるシステムになっているのは嬉しいところだ。
おわりに
『ファイナルファンタジー』『キングダムハーツ』『NieR』と、スクウェア・エニックスのAAAタイトルに目を向けてみると、コマンドバトルであることが定義ともいえるドラクエを除けば、その殆どはアクションを採用している。これはある意味当然で、マシンスペックの向上によって出来ることが飛躍的に広がった今、より現実に即した表現を追求するのは自然な流れだろう。
しかしながら、現実と見まごうほどのフォトリアルが当たり前になった今なお、中世ファンタジー世界を舞台としたターン制RPGを支持する声は多くある。息を呑むような「2.5Dグラフィック」によってJRPGの底力を見せつけた『オクトパストラベラー』が、全世界累計で200万本を突破する大ヒットを記録したのはその何よりの証明だ。
そして、そんな昔ながらのRPGを愛するオールドゲーマーの心を、『ブレイブリーデフォルトII』は鷲掴みにする。じっくり思考出来るターン制バトル。一地域ではない、世界を股にかけた冒険。そして王道を絵に描いたようなストーリー。「最近のゲームは複雑になりすぎて難しい…」と敬遠していた貴方にこそ手にとってほしい“あのころ夢中になったRPG”の発売は、もう目の前まで迫っている。
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購入ガイド
通常版
価格 | 6,800円+税 |
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『ブレイブリーデフォルトII』の基本情報
タイトル | ブレイブリーデフォルトII |
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発売日 | 2021年2月26日 |
価格 | 6,800円+税 |
対応機種 | Nintendo Switch |
CERO | C |
ジャンル | RPG |
プレイ人数 | 1人 |
メーカー | スクウェア・エニックス |
公式サイト | 『ブレイブリーデフォルトII』公式サイト |
公式Twitter | 『ブレイブリーデフォルトII』公式アカウント |
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