『灰と幻想のグリムガル』の十文字青が描く『第四大戦』を紹介│ライトノベルレビュー

アニメ化した『灰と幻想のグリムガル』など数々の代表作を描く「十文字青」がノベリズムで現在連載中の『第四大戦』をレビュー！読む作品に迷っている方はぜひご活用ください。

十文字青『第四大戦』概要

作品名	第四大戦
著者	十文字青
イラスト	玲汰
連載サイト	ノベリズム
更新状況	週5(月曜〜金曜)更新
第1話投稿日	2020年9月1日
備考	有料部分あり(アプリポイント使用可能)
作品ページ	作品ページはこちら

あらすじ

人類は有史以前から人外勢力としのぎを削ってきた。
遺跡や遺物、文献等々を詳細に分析すると、過去に世界規模の大戦が、少なくとも三度は行われたことが判明している。
いずれの戦いにおいても、最終的に勝利を収めたのは僕たち人類だった。
でも、人外が死に絶えたわけじゃない。

西暦２０２０年、現在。ある人外は僕たちの社会に紛れ、隠れ潜み、またある人外は人類と共存しようとしている。そして、四度目の大戦を画策する人外も――

これは、第四大戦を阻止すべく活動する僕たちと、引き起こそうと目論む者たち、その狭間でもがく者たちの、戦いと日常の記録だ。

引用：公式サイト

作品構成

現在、下記３部構成にて連載中。

世羽黙示録　Apocalypse of Yohane	第１５章まで無料公開
鬼譚　Tale of a Oni	第１章のみ無料公開
BLOOD HEART	無料公開はなし

WEB版PV公開中

【追記】
60秒のWEB版PVも公開いたします！

TVCMとPVのHD版は公式チャンネルにてご覧いただけます。https://t.co/k8m3QJql0U

女性版ナレーション担当は #上田麗奈さん、
そしてCMの主題曲は #saji さんによる『真に暗き夜』。

ぜひご覧ください！#ノベリズム pic.twitter.com/8gBvcMPaTS

— Novelism（ノベリズム）公式 (@novelismjp) February 8, 2021

十文字青『第四大戦』の編集部レビュー

※無料公開話数のレビューになります。

ダークな雰囲気や重厚感ある作品が好きな人におすすめ

細かい点は後述しますが、主人公が無差別に人を救うヒーローではない点や無慈悲な殺し合いが繰り広げられる本作品は、特にダークファンタジーを好む方におすすめ！

何重にも折り重なる物語など一筋縄ではいかない展開は、重厚なストーリーや凝った設定を好む人には一際刺さると思います。

何気ない日常が非日常を際立てる

予備校に通い、気になる女の子の言動に一喜一憂する男の子。
当たり前の日常を描くことで、戦いや壮絶な過去が一層影を濃くして浮き彫りになっています。

一人称で描かれるテンポの良い物語

各物語には主人公が置かれ、主人公視点でストーリーが進んでいきます。

キャラクターの等身大の言葉で語られるため、重い内容のわりに読み進めやすい印象。

また「世羽黙示録　Apocalypse of Yohane」では、主人公が周囲の人物たちに抱く感情が良くも悪くもはっきりしているため、序盤から主人公周りの状況を認識しやすくなっています。

語られる物語が全てではない

「世羽黙示録　Apocalypse of Yohane」を読み進めると如何に“人外”が残酷で悪なのか強く語られていますが、それは主人公の視点を通した“偏見”。
“人外”に関する情報は、他の物語も読まなければ正しく認識はできないでしょう。

主人公が淡い恋心を抱いている乙野綴も、もしかしたら他の視点で見ると印象は百八十度変わるかもしれません。

価値観が偏った視点の中で、展開やキャラの関係性を推測をしながら読むのもきっと面白いはず！

“人”と“人外”における争い

『第四大戦』では通常の“人”とグールやゾンビ、鬼などの“人外”のキャラクターが登場します。

「世羽黙示録　Apocalypse of Yohane」の主人公である安条世羽は、小学生の頃、目の前で母親とピアノ教師を鬼に殺され、十九歳となる現在では「七十六浄化班」という組織に在籍し、“人外”を撲滅させようと戦っています。

主人公はヒーローではない

主人公曰く、彼が在籍する組織の目的は“人外”とは交渉をせず“人外”を駆除するため。

「第８章時は金にならず」では、主人公は人質の救助よりも“人外”を倒すことを優先しました。
そして敵に対して「ざまあみろ」とまで発言しています。

そして“人外”にも物語はある

『鬼譚　Tale of a Oni』で描かれるのは、安条世羽の家族たちを殺した残虐な鬼・由布鷹正が主人公として描かれています。

鬼の子である由布鷹正は、短期間に母と拠点を転々と移動しながら暮らしており、母といる姿は人の子と相違ないように見えました。

今までの戦いにおいて人類側が勝利を収めてきたようですが、はたしてそれは正義なのでしょうか？
“人”にも悪があるのなら、戦うことだけでは解決に至らないかもしれません。

個性の強いキャラクター

主人公が普通の感性を持つ

安条世羽の生い立ちに同情すべき点はたくさんあるかもしれませんが、“人外”に対する容赦ない対応や、組織内で自身の憎悪を優先させ行動するなど決して聖人ではありません。

また、好きな子に対しては盲目になったり、安条はある意味一番“人間らしい”キャラであるため作品のリアルさが増しているように感じられます。

“人外”の仲間

“人外”を駆除する組織――主人公の仲間の中には“人間ではない存在”も所属しています。

序盤の主人公は仲間であるはずの“人外”に辛辣な態度をとっており、今後の関係性にも注目したいところ。

小説『第四大戦』を読む

作家「十文字青」の代表作を紹介

薔薇のマリア


©KADOKAWA CORPORATION 2021

概要

作品名	薔薇のマリア
イラスト	BUNBUN
既刊情報	本編：全21巻(完結) 番外編：全6巻
第1巻発売日	2004年11月

ストーリー

サンランド無統治王国の首都エルデン。九頭竜大骨格（レガシオス・ノ・イン）と呼ばれる巨大竜の骨が”蓋”となり、異界生物（フリークス）を封じ込めている地下空間に、財宝を求め危険を顧みず潜り込む集団がいた。クランZOO。美しくも頼りないマリアローズを筆頭に今日も万全（？）の態勢でお宝GET!!……のハズだったのに!?どんな戦いも、運命も、裏切りも、君がいるから生きてゆける。優しき《侵入者（クラッカー）》マリアと仲間たちの最高な物語!!

引用：公式サイト

『薔薇のマリア』特設サイト